2022/4/29

唱歌「朧月夜」  

「菜の花ばたけに〜」で始まる「朧月夜」の歌は、みんな口づさめる歌だと思う。作詞の高野辰之は長野県飯山市の生まれで、信州中野に記念館があるので、いつか行きたいと思っていたがコロナのせいで旅の気分が失せてしまったままだ。
高野の代表作には「春の小川」「ふるさと」「もみじ」など皆の知っている童謡唱歌が多い。「朧月夜」は大正13年の尋常小学唱歌として発表されたもので、それから戦争を挟んで戦後も長く日本の農村の風景を伝えている。

朧月夜  作詞 高野辰之 作曲 岡野禎一 

1) 菜の花畑に入日薄れ 見渡す山の端霞深し
  春風そよ吹く空を見れば 夕月かかりて匂い淡し

2) 里わの火影も森の色も 田中の小道を辿る人も
  かわずの鳴く音も鐘の音も さながら霞める朧月夜
 
私の記憶の中でこの歌を覚えたのがいつかはっきりしないが、父の旧制が「田中」であったため父は小学校でこの二番の歌詞を歌う度級友がふり返っても父を見て笑ったのが嫌だったという話は何度も聞いていた。しかしあの辺りに「田中」姓は多くて(親戚だけど)同じクラスに何人かいたのではと思うけど。
父の子ども時代の世田谷下北沢はこの歌詞のような農村で、街は渋谷まで行かなければ店もないようであったと聞いている。父は少し大きくなってからでも、坂の上の樹に金色の大きな月をみつけ何処までいっても同じところ大きさで、それは狸の化けたものだったと気が付いたと話していた。昭和初期の世田谷にはまだまだ狸がいたらしい。
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2022/4/22

「四季」冬号の歌  短歌

2021年度の「四季」冬号がでました。(春号から2022年度という事でしょう)遅れると言いながら季刊の発行をやり遂げている紀石、青柳夫妻に感謝しています。今回も私の出詠10首を載せます。向かい側のビルの屋上から吊られたトンビの形をした凧、はじめ見た時はびっくりしましたが良い歌材になりました。その凧は鳶いろでリアルに着色されちょっと見に本物のような迫力です。

「トンビ凧」

三が日終わる都心のビル街にカラス除けなるトンビ凧とぶ

吊られたる凧の姿に鳩カラス同じ目線の我もぎょっとす

対面のビルの息子が鳩除けにもと郊外覚えの凧を買いしよ

二三日すれば雀はベランダに安心顔して集いて騒ぐ

鳥かごの様にしだれたソケイの木中に雀が12羽休む

北風に流されそうな雀たち朝の御飯はさっきやったよ

雪もよい自転車押して行く人も さざんかさざんか春はまだです

花の名を問われる隣の公園に黄色く光るあれは「蝋梅」

疫病の街に祈りは届かぬか 鳩もカラスも機嫌は悪く

釣り竿の先に吊られたトンビ凧雪がやんだらまた空を飛ぶ
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2022/4/15

「毎日歌壇」掲載  毎日歌壇他

コロナは一向に減らないし、戦争は停戦からほど遠いようで気持は滅入るけれど、四月は陽射しも明るく花が咲いてくれるのが楽しみです。冬の間今年は花が付かないのではと思っていたシンビジュウムが七本ぐらいどんどん花開いて、華やかに良い気分になりました。菫もフリージアもそれなりに咲くので、一時を夢心地にもなれました。

4月4日の毎日歌壇、米川千嘉子選で一首掲載されました。令和4年なので4並びのぞろ目です。震度四の地震が続いたりしたけれど、二ヶ月空いた新聞歌壇掲載はやっぱり明るいことですね。

卒業もオンラインなる夢の間に空虚に響く「サウンドオブサイレンス」   河野多香子

映画「卒業」は調べたら50年ぐらい前なので、若い人は知らないかもしれないです。でも私の友人たちは(それぞれ年はちがっても、まあ高齢なので)懐かしいと言ってくれました。むねがざわつく、という人が居たけどそれは私も分かります。この歌はその昔ではなくて九段を通ると現代の学生が見えたり、甥の娘がほぼオンラインでキャンパスにも行けずに卒業するという話を聞いたりした結果出来たものです。米川様ありがとうございました。
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