2015/7/21

秀歌(52)森山良太十首詠から  秀歌読みましょう

今回の森山良太さんは2005年の角川短歌賞を「闘牛の島」で受賞された、鹿児島県の学校の先生(現在の在籍は私には不明)。歌会「華」の代表。
私は角川短歌賞の受賞作品集で「闘牛の島」を読んでみて、さわやかな島の先生と言う印象であったが、現在は県内に在住で、十年経てばもう40代か。中央ではあまり名前を聞かないが、たまたまネット歌友の鹿児島市の方が、一時「良太塾」と言うような歌会に参加して教えを受けたと言うので興味がわいて注目していた。角川「短歌」26年9月号に十首詠を見つけたので、五首を引いてみる。

「夏の朝」
むらさきのブーゲンビリア咲く朝を「痩せましたか」と生徒に問はる

神在りとわれは思はずもし在らばこの不条理をゆるしたまはじ

集団的自衛権より教育に介入をせる首相あやぶむ

経済のゆゑ、子のためにともにゐむ女の肩のエアコンの冷え

ぐつしよりと汗をかきつつ眠る子を抱きあげにけりその身のおもさ

「闘牛の島」では徳之島に赴任しての起き臥しと、離れて暮らす彼女が会いに来るエピソードがからまって、素朴な幸せと若さが描かれていたが、このお歌には年月が経て、人生のかげりとそれゆえの確かな日常が出てくる。
この所の政治的右傾化、去年はまだと思うのに教師故に不安に思う所がつよいのだろう。二首目の理屈のみのような歌にも「うむ」と頷いてしまう。四首目、結婚したのがあの彼女であったかどうかは知らないが、はつらつとした恋の結果このような歌になる時の経過という物を「まあ」と驚くような思いを抱いた。でも、五首目の日常としての子を歌う姿には鬱屈したところは見られないように思う。
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