2018/1/26

秀歌(74)小島ゆかり「角川短歌」12月号より  秀歌読みましょう

昨年秋の叙勲で「コスモス」の小島ゆかりさんは 褒賞を受けた。私の叔母や従弟は幼稚園経営で褒賞を貰ったが幼児教育は割合続けることで対象になる分野ではないかと睨んでいる。それに比べると評価のはっきりしない文化の分野は難しいものがあるので、大層な慶事ではないかと思われる。
小島ゆかりさんは美貌を持って語られることが多いが、「コスモス」の中では美しい新古今風なテイストのあるお歌が好ましかった。二三年前から、年齢を感じさせる落ち着きや、人生の屈折を詠むようになったなと思ったけれど、それなりに美しいのだ。

「風の翁」

こんな夜(よる)はにはとりを抱いてねむりたしなまぐさいあかい月のぼるよる

父の名は旅人なりしをその子らの家持、書持むなしかるべし

いちじくと猫もたれ合ひねむりをり午後の陽たまる古きテーブル

霊園の丘にのぼれば新しき石の町あり窓のなき町

街路樹の呼吸(いき)ふかくなる秋の夜 一木(ひとき)は鹿のにほひしてをり

なにもかも怠けきつたる日の夜は丁寧語にて猫にもの言ふ

人間はめんどくさいな あきかぜを観測したり感傷したり

くりかへしどこへ行くかと聞く母よ大丈夫、銀河までは行かない

その花は風の翁とおもふなり嵐の後(のち)のしろまんじゅしゃげ

白曼珠沙華を「風の翁」と名付けたお歌。父亡き後少しずつ弱る母の姿、みんな同じと思う。そして一番の仲間の様に話す「猫の歌」やはり歌壇一の猫好きだなあと思った。
4



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ