2018/11/2

「風の歌会」作品集  歌集

やねうらねこさん主宰の「風の*歌会」が休会になったので、これまでの高得点歌を纏めて「作品集」を作って下さった。私も五首を掲載して頂いているので、他の方のお歌とともに少しだけ紹介させていただきます。こういう「作品集」やネット同人などの小冊子の意義とか方向性については、私の中でまだ考えは纏まっていないけれど、電子書籍化も含めてこれから大いに論じられていいのではないかと思います。
シマウマプリントというネット印刷製本の会社に頼んで、配送も頼んでいるため一冊が千円を少しかけるくらいになるようですが、欲しい方はやねうらねこさんのツイッターから頼むことは出来るらしいです。

何人かのお歌を見本のように掲げることにします。(私の勝手で好きな歌を選んでいます。もっともっとあるし本の中にはゲストの評もあるのですが・・・)

駅からの暗い小道に月よりもきれいな耳を見送るゆふべ   やねうらねこ

静けさの頂きへ置く指揮棒に奏者すべての息が合わさる   文月郁葉

信号に急かされ廻る車椅子秋の夕日を引き摺りながら    chari

音楽性の違ひだらうか雛壇に五人囃子のひとりがゐない   桔梗

初雪が舞う雀荘のサッシ窓平和のために一筒を待つ     泳二

来客の予定は三時 冷蔵庫に桃は静かな余生を送る     スズメ

きんいろのちいさな鈴をつけられて鼠のことは前世の記憶  多香子

ネット歌会には、出かけていけない人も参加できる、超結社でも海外からでも(ケースによると思うが)参加できるメリットがあります。クローズとなると未発表扱いで「投稿歌」にも「月詠」にも使えるところも良いのではないかと思うが、近頃は各結社もネット歌会を(会員内で)始めているので、人が減って来ると言うのもあるかも知れません。いずれにしてもその存在は充分意義のあることで、一時のブームとかではない事を祈っています。
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2018/9/28

個人通販始めます  歌集

『古今さらさら』は私の第一歌集です。多くの歌友から優しいお言葉を頂きました。「不識書院」は老舗ですがアマゾンと取引をしないので、若い方に手にとって頂けないのが少しさみしく、個人通販を始めることにしました。特別価格にいたしますので、お財布に余裕のある方は読んでみて下さいませんか。
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今年は歌集の発行ラッシュで、ネットのクラスタはお知り合いの歌集をいっぱい買ったり、同人誌やネプリを抱えて積読タワーが出来ているかもしれませんね。そのタワーに私の『古今さらさら』も加えて下さいませんか。よろしかったら、下記のメールにお問い合わせ下さいご案内メールを差し上げます。
(星印を@にかえて)tanuko☆mbx.kokage.cc どうぞよろしくお願いします。
<帯の歌から>

☆ 佐保姫は衣の裾をひるがえし六階の窓にも春の香りを

☆ 仰向けに浮かべば空も海となり私の夏はどこまでもブルー

☆ どこまでがこの胸内の傷なのかテールランプが尾を引いてゆく   
   河野多香子
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2018/8/3

『固い麺麭』長谷川径子歌集  歌集

長谷川径子さんは「中部短歌」の方で「そののち歌会」「風の歌会」にはじめから参加されていました。私は「そののち」の終わりぐらいから入れて頂いたので、先輩感はありました。『古今さらさら』をお送りしたので、28年に出された第二歌集『固い麺麭』本阿弥書店刊を恵贈下さいました。私より少し年若い、堅実なでもやっぱり短歌沼にはまっている方とお見受けしています。(お会いしたことはないのですけど)歌集より十首引かせて頂きます。

退職は武装の解除口紅をつけず散歩は川を見に行く

幼子を抱いてコアラをみる我は葉をふるわせるユーカリになる

赤い下駄履いてしまった猫なれば歌って踊って息が出来ない

金の鶴羽撃く布におおわれた母の鏡の暗闇深し

きんいろの狗尾草に気をつけなこころの中まで揺らしてしまう

しおり紐しっぽのように垂れている「ムーミン谷の彗星」ひらく

この屋敷縄張りとするぶち猫が庭の金魚を拐う月の夜

固い麺麭、ゴルゴンゾーラ冬に入る我を肯いつつ噛みしめる

眠れない長き夜をこめ打ち鳴らす我のうちなるたんばりんりん

誰も来ぬ小さな部屋に椅子ひとつ隠れ家(エルミタージュ)に飛ぶポンペイの鳥

猫の歌が思いのほか多く、それは愛しむことより野生の逞しさの猫のようで、ご自分もまた逞しく人生を切り開いてきたようにも読めました。(もちろん猫好きな事には変わりないでしょう)
集名の「固い麺麭」は子を育ておわり、年寄りの看取りも済ませて、これからの人生を「固い麺麭を噛みしめていくような」ものと思ったと言われているのですが、径子さんらしい堅実な考え方とは思うけれど、私からはもっと楽しく、もっと飛んで行ってくださいと言いたい気持ちになりました。「風の歌会」が休会となって寂しい思いもしていますが、それぞれの歌の道を行きながらまた同じ場で詠み合えることもあると思っています。
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