2021/4/9

「四月の歌」  短歌

関東の緊急事態宣言が解除になったと思ったら、関西や東北で感染が増えて「蔓延防止等なんたら」というものが出ることになった。東京も一度解除して数字をいじっている様子だったが、やっぱり「蔓延防止措置」をだすことになりそうだ。だんだん暖かくてマスクも蒸れる季節にいやだなあと思いながら、当分旅行もお預けと覚悟は決めた。(新幹線は換気が良いと言っても、何時間かマスクのまま座っているのは辛いから、遠くには行かれない)四月の歌はそんな気分を纏めてみた。

「どこも行けない」

春色の薄いピンクの爪をたて今年生まれの子猫があゆむ

菜種梅雨 いつしかボタンの掛け違い今朝のけんかを悔やむ昼すぎ

花曇り、水色の空をみたいから植木市にて買うフリージア

草原に野焼きの煙ただよえば揺れるだれかの黄色いリボン

通勤の駅のポスター紀州路のタマ駅長にあいたくて 喪

中指で口紅なおしもう一度鏡にむかって「わたしは綺麗」

廃線の駅のホームにひとり居て雲雀上がるを眺めていたい


五首目のたま駅長は随分前に死んで、二代目が就任したはずだけど、駅名も忘れてしまった。人気(ひとけ)のないところではマスクもはずしてボーっとしていられるのだろうけど、そこまでどうやって行くのだろう。車をやめてしまった家では公共交通に頼らざるをえないので。
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2021/3/19

「四季」冬号の歌  短歌

月の初めには「四季」の冬号が届きました。今年は突然春が来て、このところ昼間はストーブも要らない陽気でしたが、どちらの結社誌も編集期間に季節とはずれがあるのです。読み直してみても冬号に合わせて冬の景色だなあと思いましたが、わたしの10首をあげておきます。

「勝ちとか負けとか」

冬の恋勝ちや負けではないものを雪合戦のような意気込み

オリオンの傾く夜更けの寒さにも白い息吐き受験の頃は

勝ち負けじゃないよと子供に言い聞かせ肩の力を抜けと私に

いいわ私負けを認めるあきらめる罠にかかったうさぎみたいに

春色の毛糸でベスト編んでますあなたが冬に負けないように

努力することだけ得意なのだから亀に負けないあなたの勝ちね

負けは負け、あしたこの町離れるわどこへいっても花いちもんめ

さみしさは赤い椿の側にあるもう勝ち負けのことは言わない

ブス猫を毎日かわいいかわいいと褒めおだてれば美猫に仕上がる

冬の夜の寒さにまける手枕に寄り添う猫のしっぽぱたぱた

短詩形も散文(小説も)勝ちや負けの文学ではないと思うのに、人生を競争に賭けてしまう人もいるし、そうなりたくないと思いつつどこかで成果を期待する自分もいるのです。とかく人間はややこしい生き物です。
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2021/3/12

「うたそら」創刊号に参加しました。  短歌

ネットプリントの女王(!?)千原こはぎさんがこの春から始める「うたそら」(投稿自由、隔月刊予定)創刊号が出来ました。長年の「うたつかい」が秋号で終刊となる予定で、今度はこはぎさんが主催になるのでしょうか。私は同期のような気分でいながらツイッターをやらないので、うたつかい」には参加せず、途中から「みずつき」にだけ参加していたのですが、今回は初めから参加しようと決めていました。

昔の同人誌はお金を持ち寄り何人かで集まって代表を決め「誌」を作成発表したものですが、いま(コロナのせいもあって)ネットが主流の時代に、こういうものが「同人誌」と言えるのではないかと思い始めています。締め切りが来てすぐにこはぎさんは編集を仕上げてくれましたが参加人数はなんと211人も、昔懐かしい人も新しく「うたの日」で知った人もいます。下に閲覧方法を載せますが、私の歌八首連作だけ載せておきます。

「復活祭」

さよならと白いこぶしの花が散るふたり出会った教会の庭

山折りと谷折り何度もくりかえしあなたに飛ばす春の折り鶴

赤い実を食べてもふたりそむきあう言葉持たない鳥よりも寒く

ひっそりと月の桂の芽は伸びてさみしい兎の耳をなでゆく

ひとり飲むワインのロゼの薔薇色の夜の寂しさいやましてゆく

思い出はミント色してうずくまり忘れないでの声だけとなる

復活の願いに卵の色を塗るカーテンの向こうは春の雨降る

鳥になりまた猫になり春の日を過ぎていきたい明日は来るよ

全部を読みたい方は次のこはぎさんのサイトにどうぞ⇒
http://kohagiuta.com/utasora/01/
コンビニ印刷のよく分からない人は家庭用プリンターでも印刷できます。私は両印刷が出来ないので、きれいな中綴じ本にはならないですが、スマホにダウンロードして、グーグルドライブに保存しました。使い方よく分からないけれど、クリニックの待合室などで詠むのにいいからと。
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