2019/6/7

六月の歌「四季」のこと  短歌

私はずっと「結社」には入らないで行くと思っていたのですが、歌集を出してみて、「歌壇」というものや自分の年齢を考え、講座で知り合った方のやっている「四季」という小さな結社にはいることにしました。50年の歴史のある空穂系の雑誌なのですが、高齢の方が段々に引いて行って人数も少なくなるというのはどこも同じようです。ご夫婦でやってらして、選もないしエッセイも書いて良いと言うので、これからの短い人生に良いのかもしれないと思い四月に入会しました。

四季と言う位で季刊の雑誌を発行しています。私自身はアララキ系ではなく、軽い文語と口語の融合というあたりを詠んでいますが、その点も自由な様子です。刊行誌は売っている訳ではないので、見本誌は取れると思いますが、まず私の歌はこのブログに載せてみようとおもいます。
今度出るのが「春号」なので、六月の歌ですが春の歌掲載歌十首です。

「春の小川広場」

さよならと白い辛夷の花が散る取り残されたゴールポストに

廃校の後も高価な一等地何もならずに当面広場

薄紅の木蓮咲けばけむりたつ春にも街は知らぬ顔して

子のための理数教室開かれて近くのビルに親子連れゆく

白い人青銅の人もありふれてスポーツ街はシーズン終わり

何食わぬ顔で過ぎゆく野良猫も狩られかられて姿はみえず

もうずっと夢みていたか菫草あなたの傍にそっとよりそう

校庭に知らず芽を吹くユズリハはいたずら雀の善き贈り物

昼のうち楽しい手紙を書きましょう、夜は哀しい歌詠うから

月さゆる真夜にはすべて静まりてゴールポストのため息ひとつ
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2019/5/17

「月の砂漠」  短歌

月の砂漠のラクダの像は房州の御宿の海岸にある。家人は皆見たのに私はまだ見ていない。二頭のラクダが歌詞のように王子様とお姫様を乗せて並んでいるのだそうだ。実に中東の砂漠を思わせるロマンチックな童謡である。
作詞は加藤まさをで大正12年に発表されたもの。日本で砂漠と言うと鳥取砂丘がまず思い浮かぶが、この歌が出来たのは大正10年加藤が結核療養のため逗留した御宿海岸で幻想的な歌詞のもとを思いついたと言う。そのため「沙漠」の字をあてて海岸の砂浜と言う意味を持たせたと言われている。本歌は四番まであるが一番三番と終わりの句を引く

@ 月の砂漠をはるばると 旅の駱駝がゆきました
  金と銀との鞍置いて  二つ並んでゆきました

B 先の鞍には王子様   あとの鞍にはお姫様
  乗った二人はおそろいの 白い上着を着てました

 砂丘を越えてゆきました  黙って越えてゆきました

加藤まさをは画家が本業で、この楽譜も加藤の挿絵つきで発表され、小説なども絵と文を書いている。私の母が女学生のころ(昭和)には加藤は売れっ子の挿絵画家だったようで、母は平成になって復刻版の『消えゆく虹』を買うなどかなりのファンであった。私の童謡好きも母の影響は多いが、さすがに加藤まさを、蕗家虹児などは守備範囲ではない。
しかし、このファンタジックな王子様とお姫様の旅もアラビアンナイトのようなキラキラした物語と言うより、どこかあてどない旅のような哀愁を持った物になっているのは、さすがに日本の歌と言えるのではないかと思う。

睡蓮は姫の嘆きをつつみこみ月の砂漠のラクダに届く   多香子
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2019/5/3

五月の歌  短歌

とうとう御代は変り「令和」元年になった。ばかばかしいお祭り騒ぎは嫌だけど、立派に育った皇太子さんが新天皇になられたお姿は、テレビで拝見して良かったなあと思った。宮中儀式をテレビが中継できる時代、何が正しいのかではなく、新しい時代と共に伝統の物をきちんと記録しておく姿勢が一番必要なのではないかと思う。皇居に近く住まいして皇室には親近感を抱くけれど、時代の検証と言う事も考えるから。
五月の歌は、それなりに楽しい歌にしたいと思う。

「麗し五月」

やぶでまり白いお皿が咲く様でヤマザキ春のパンまつり終わり

白牡丹はらりとひとひら花びらは元禄袖のゆたかな丸み

リビングのほんの二枚の畳には先回りした猫が寝ている

春の日が眠たい理由、夏の陽がまぶしい理由を実はしらない

金魚藻に産みつけられたつぶつぶの卵よ孵れ 僕が見守る

梅雨前に五月病をこじらせたかたつむりお前、つのも出せない

卯の花が咲く駅にきて耳すます もう忘れそうなあなたの訛り

空を見上げるとツバメが飛んでいるのを見かけるようになりました。アゲハの卵は孵っても雀に食べられてしまうかも、五首目の金魚の卵は昔返したことがあって、一時70匹も飼っていたけれど、屋上だったので皇居の鷺に食べられてしまいました。

令和二日目に神社の駐車場で物にぶつけて、車の後ろが大破してしまいました。けが人もなく幸いでしたが、これを機に車のない生活を考えてみようかと思います。
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