2022/4/22

「四季」冬号の歌  短歌

2021年度の「四季」冬号がでました。(春号から2022年度という事でしょう)遅れると言いながら季刊の発行をやり遂げている紀石、青柳夫妻に感謝しています。今回も私の出詠10首を載せます。向かい側のビルの屋上から吊られたトンビの形をした凧、はじめ見た時はびっくりしましたが良い歌材になりました。その凧は鳶いろでリアルに着色されちょっと見に本物のような迫力です。

「トンビ凧」

三が日終わる都心のビル街にカラス除けなるトンビ凧とぶ

吊られたる凧の姿に鳩カラス同じ目線の我もぎょっとす

対面のビルの息子が鳩除けにもと郊外覚えの凧を買いしよ

二三日すれば雀はベランダに安心顔して集いて騒ぐ

鳥かごの様にしだれたソケイの木中に雀が12羽休む

北風に流されそうな雀たち朝の御飯はさっきやったよ

雪もよい自転車押して行く人も さざんかさざんか春はまだです

花の名を問われる隣の公園に黄色く光るあれは「蝋梅」

疫病の街に祈りは届かぬか 鳩もカラスも機嫌は悪く

釣り竿の先に吊られたトンビ凧雪がやんだらまた空を飛ぶ
4

2022/4/8

四月の歌  短歌

寒い雨の四月の始まりから、急激な暖かさまで気温の変化は激しくて天気予報が信じられないでいました。もうこのまま春らしいけど、今度は暑すぎることはないでしょうねなどと疑ってしまいます。
春は桜の花が無くても冬物の始末で心穏やかではいられません。まして疫病や天変地異に醜い争いで心がくたびれるため何かで癒す力が欲しいのだけど、小太郎が死んでから猫の居ない生活が続いています。せめて歌の世界で鳥や猫と遊びましょうと「四月の歌」はそんな七首です。

「小鳥も猫も」

春彼岸まだ寒ければあたたかいミルク手向ける猫の墓にも

ベランダに自由に伸びたアロエの木雀のためのジャングルジムに

カナリアはあなたのお墓に埋めましょう私は小粋な唄うたうから

故郷のいまはもう無い縁側に亡霊のように猫が寝ている

今朝早く帰ったはずの鳥たちが雑草という恵みふりまく

大声で叫んでみたい夜がありそれでも猫抱き静かに眠る

冴え冴えと月の光のさす庭に明日を信じて小鳥も眠る

   
3

2022/2/18

「四季」秋号の歌  短歌

私の参加している結社の季刊誌「四季」の秋号が年を越して上梓されました。主宰の青柳節子氏の逝去により遅れていましたが編集人であった紀石さん(息子さん)がやっと頑張ってくれました。編集発行人と奥付にあります。原稿は去年の秋に出したのですが、コロナの五波は去っても疲れは残るという時期で、エッセイも書かず詠草10首の参加でした。お彼岸の墓参をテーマに詠みましたのでお読みください。
       
   

「墓参り」

萩の花匂いも薄く咲きゆけば秋の彼岸は近づきており

疫病の収まる気配はなけれども都内の墓参はやはり行きたし

菊の香は園芸店に売られたる作り物なる年中の花

早稲田にも寺町はあり新しく私が買った墓は地下室

あれほどに帰りたかったふるさとに母は戻って静かに眠る

よそ行きで久方ぶりのお出かけよ夫と二人でメトロに乗って

地下鉄に揺られていれば東京の変貌なども闇で見えずに

祈るとき夢幻にふいに立ち上がりほほえみかける過去のあれこれ

墓石も無くてすっきり納骨堂先祖は永代パゴタで昼寝

秋風の早稲田通りに学生の姿はなくて玉すだれ咲く
2



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ