2021/2/5

「二月の歌」  短歌

緊急事態宣言が延長されて、カルチャーの講座などもみな休講になったけれど、私の通っていた「短歌講座」は一月を通信講座にきりかえてくれました。延長になったので二月も通信です。三月で終了の講座なので、ただでさえ寂しいのに、みんなで会えないのはとても寂しいことです。先生のお手紙にも「三月には会えますように」と書いてあったので、本当に祈っています。

二月は節分、立春と春の匂いのする季節ですが、あまり外へ出ないので、心も冬の中にいます。近くに梅の木々もなく、公園のこぶしが開くまで花も見ないのでせめて歌の中では恋をしましょう。と今月の歌はおぼつかない恋を。

「恋に溺れて」

あの人の町を一周へめぐりて(ストーカーか)と帰り来たりぬ

月の夜に私のこころ盗まれてたましいひとつ花野をさまよう

その日とはいつなのだろう公園に椎の実ひろい頬寄せる冬

もうここで一休みだというこの恋をなだめるように涼風の吹く

地図にない山に迷いて霧深き心地こそすれ恋におぼれて

きみが手を離れて後のわが姿 弱法師のごと影をふむ日々

恋しいとあなたの胸にワープするいつの時代を漂うわたしか
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2021/1/15

「四季」秋号の歌  短歌

「四季」の秋号が去年12月に届いて、ブログ掲載が今年になってしまいました。この連作はブログのように横書きで載せて見ていただくほうが、ピースのかわいらしさも出るのではないかと思います。感想などいただけると嬉しいのですが。

「白くまピース」

沙羅双樹小さな椿のかたちして落ちればこれで夏はおしまい

ピース君きみが元気でいることを忘れていたよコロナのせいで

ぬいぐるみのような赤ちゃんだったのは二十年も昔の話題で

捨てられて「とべ動物園」に育てられピースと名付けられたる白くま

白くまは一人プールで誕生日果実の入った氷をかじる

祖父の地もコロナで行けずパンフには昔のままののどかなる秋

萩桔梗いつか見に行くすすき原、けいれんしないで九月は花野

台風の予報を聞けばプールにも漣たちて不安がすこし

秋がきたんだ<ごらんピース>ナナカマドは一等先に色づく

だんだんにお客も帰って来るだろうがんばれ全国の動物園

ピースは愛媛県の動物園で母熊から育児放棄されて、人口保育で育った白くまです。いまは20歳になったけれど、てんかんの持病があって途中何度か命の危険もあったのです。コロナの時期に飼育員さんたちも大変な思いをしていると思います。
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2020/12/11

12月の歌  短歌

嘘でしょと言うぐらい早く師走になってしまいました。11月に寒かったり暖かかったりしたので右往左往している間に12月に突入。コロナも増えていつまでという不安ともう来年までは終息しないだろうというあきらめの気持ちです。毎日主人と熱を測って、もし(コロナではないとしても)熱が出たらどうしようと考えると不安だから考えないことにしています。
12月の歌は「うたの日」の過去歌から七首組んでみたら今年風の冬の歌になって、そういうものなんだろうなと一人納得しています。

「冬の街」

忘れられバケツの中にひとり浮くアヒルのジョウロ冬は冷たい

かの猫が三年眠る庭のすみ白い山茶花今年も咲きぬ

冬至にはニュージーランドのかぼちゃ煮て風邪はひかないこれで安心

残された木守柿ひとつあかあかとカラスの帰るを見送っている

凍て鶴が夕陽に染まり飛んでゆくなんの成果も出せぬ日の空

「月に住むウサギはどこに隠れるの」帰りの道に二日月浮く

あなたから最後のメールをお守りに新しい町で暮らしてみます
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