2009/10/8

馬上法廷がゆく  テレビ/ラジオ

 大学3回生のTくんが、
「いままで見たドキュメンタリーの中で一番面白かった!」
という『BS世界のドキュメンタリー 馬上法廷がゆく 〜中国雲南省〜』(録画したもの)を一緒に少し見た。

 李裁判長が馬に折りたたみの机と椅子と裁判道具と中国の国章を積み、険しい山道を歩いて、村から村へ流れ歩き、青空裁判を繰り広げるドキュメンタリー。

 NHKの『世界のドキュメンタリー』HPより、内容を引用。

馬をひいて、ぬかるんだ山道を進む4人の裁判官。馬の背には中国の赤い国章と裁判道具。彼らは山奥の村々を巡回する青空裁判、“馬上法廷”の一行だ。舞台は中国雲南省禄勧イ族苗族自治県。山岳地帯のこの地には、イ族をはじめ、苗族、リス族など24もの少数民族が暮らしている。主人公、李裁判長も少数民族の出身だ。

目覚しい経済発展を遂げる一方で法制の不備が目立つ中国では、大国の名に恥じない“法治国家”の建設が急務となっている。これまで伝統や風習に従って長老にもめ事の裁きをゆだねていた山村地方にも、ここ数年、人民法院(裁判所)の支部と巡回法廷が続々と設置された。発展に取り残され中国最貧困県の一つである禄勧イ族苗族自治県でも、数を増す出稼ぎ等あらたな事情がこれまでにない問題を引き起こし、李裁判長の巡回法廷を待っている。しかし、車も通れぬ山奥まで法律を行き渡らせるのは一筋縄ではいかない。地理環境が厳しいだけではなく、人々の「法律」という概念が薄く、人治主義が根強いため、一旦問題が起これば財産処理などで双方を納得させるのは非常に困難だ。

当番組では雲南奥地の山村をゆく馬上法廷に密着。和解に尽力する裁判官たちの奮闘、そして変りゆく中国農村の姿を見つめた。



 こんなにオープンな裁判があるなんて! だって野外の広場でおこなう青空裁判だし。法廷をトリや犬がうろつき(もちろん放置されている)、野次馬の村人も、勝手に傍聴人と化す。

 プライバシーに配慮という点ではどうか?なのだが、たとえば対面式の1対1でおこなうクローズなカウンセリングが、1対1のカウンセリングを他のクライエントが見守るグループカウンセリングによって、生き生きした展開を見せたように、オープンにすることによって「いいこと」もあるはずだ。

 裁判スタート直前にハプニングがあったり、原告と被告がお互いに「うそつき!」とののしりあったり、脅して偽証を要求したり、真偽の程はわからないながら、夫婦同士(家族単位)の裁判の途中で「不倫」云々の話が飛び出し、妻に不倫されたかもしれないと疑心暗鬼になった夫が、ようやく和解がまとまりそうになったところで、ごね始めたり。

 客観的に見れば、まるで子どものケンカみたいに他愛のないことで、カッカしている人たちを見るのは、ちょっとしたエンターテイメントだけど、当事者になったら、やっぱり血管切れそうにカッカしちゃうんだろうな、私もね。

 Tくんは法学部なので、裁判傍聴は必須。

「面白い裁判って、いままであった?」と聞いてみたら、
「あんなん、まったく面白ないし〜」とさもつまらなそうに答えた。

「あ、でもひとつだけ、面白いのあった! 罪状が痴漢の裁判で、被告の姉が立場的には弁護するべきなのに、でてくるやいなや、『このヘンタイが〜っ!!』って弟(被告)に罵詈雑言いいまくってた。
 そのあと裁判長が被告に『ずいぶん気の強いお姉さんですねー』と同情していたのが、笑えた」

 ん? でもこの話、裁判傍聴レポートで有名な阿曽山大噴火も書いていたような気がする。もしかして、一緒に傍聴していたとか?

 ところで、この「青空裁判」は原告/被告の言い分を、それぞれに第三者である県の職員らしき代理人が付いて、彼らの経済状態(たいていはひどく貧しい)を鑑み、勝ち負けを争うのでなく歩み寄れる地点を手探りしつつ、和解によって解決する。

 「こんな狭い村で、これからも一緒に顔を突き合わせて暮らしていかなくてはならないのだから、仲直りした方が良い」「訴訟のお金がもったいないから、この辺で和解した方が、お互いのため」というのが、李裁判長が和解をすすめる理由。なるほど。

 「地球というひとつの星の上で偶然同じ時間を生きているのだから、仲直りした方が良い」「戦争をするお金がもったいないから、和解点を探していく方がお互いのため」という拡大解釈も成り立つのでは。

 巡回裁判って、なかなかいいかも。がんばれ、李裁判長。
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