2010/1/11

読書メモ 雑誌編  読書

 ああ、そうだ、元日に京都四条通りの『ブックス談』で買った『芸術新潮』1月号もあったんだった。特集は『わたしが選ぶ日本遺産』。色んな方々が、いかにも日本遺産的なものから、これがなくなっちゃ困るのよ、という個人的に切実なものまで、それは雑多に取り上げられていた。

 お正月2日目、自宅の居間に居場所が無かった私は、何かを取りに来た寝室で、ふとこの雑誌のページを開いたのが運の尽き、そのまま暖房もつけずに寒い部屋で読みふけってしまった。あまりにも取り上げられたあれこれが面白くて。

 詩人の荒川洋治さんが取り上げたものの一つに駒場の日本近代文学館の喫茶室『たんぽぽ』をあげられていた。ここでナポリタンを食べ、コーヒーを飲むひとときを荒川さんは大切にされておられたのだが、残念ながら昨年12月半ばで閉店されたそうである。しかし幸いにして引き継ぎ手があり、店名やメニューは変わるそうだが、復活は果たされそう。店内の写真もあり、とくにお洒落でも凝ったつくりでもないが、いかにも昭和の喫茶室という風情が落ち着けるお店である。これはやはり残って欲しい。

 作家のいしいしんじさんは、三浦市三崎の「まるいち魚店の店先」をあげられている。いしいさんが「世界一の魚屋」と絶賛する魚屋さんである。
 ハッポウスチロールの容れ物に氷を敷かれた上に並ぶ、さまざまな魚介類たち。パックでなくこういう魚屋さんは、もうめっきり見かけない。どころか、お店を構えた魚屋さん自体が、すっかり珍しい。私が知っている限りでは、隣町に1軒だ。(あまり大きくないスーパーの中に、こういうタイプの魚屋さんがあることもあるが、それは除いて)

 いしいさんは他にも香川県直島町に昨年7月オープンした「I♥湯」を挙げられている。(実は一般的に「銭湯」の人気は高く他にも数名挙げられている)
「I♥湯」はしかし、特別な銭湯なのだ。というのも銭湯自体が、タイル絵から天井絵、椅子や風呂桶、果てはカランの「押」ボタンにいたるまで、画家の大竹伸朗と職人達の手作り作品なのだそうだ。なんとなく岐阜の「養老天命反転地」の様などきどき感がありそう。あんなにアバンギャルドではないにしろね。

 このページの少し後に、まさにその大竹さんのセレクトされた物件のページがある。彼が選んだ「路上で偶発的に遭遇する正体不明の物件」は、確かになかなか不思議で、ぐっとくる物件たちだった。ぜひ本誌で写真とともに見ていただきたい。

 あー、でもでもまだまだ語り尽くせないので、明日また続きを。 
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