2012/7/2

『平清盛』を応援する。  テレビ/ラジオ

 低視聴率が取りざたされている大河ドラマ『平清盛』だが、私的には今までに無い不思議な大河として、大注目だ。

 役者さんたちの演技も素晴らしいし、スケールの大きい視点や、転じて繊細で深い心理描写に翻弄されるのが楽しい。ドロドロの欲望、嫉妬、憎しみが渦巻くすさまじい心理劇に圧倒された王家の物語、「犬」扱いで何度も煮え湯を飲まされるも、一族の堅い結束に心励まされ勇気づけられ、ときに涙、涙の武家の物語、それらが交わりぶつかりあうダイナミックさ。端役に至るまでキャラクターを吟味され、衣装や(H氏によれば→)ライティングについても職人ワザが際立っている。

 なにより「王朝絵巻」とひとくくりにされていた「平安時代」が、大変リアルに立ち上がっているのが、目からウロコというか、設定や映像の斬新さに引き込まれる。そしてなにがしかの新しい発見がある。

 前回、清盛の友であり彼を導いた重要な人物である信西が首をとられ、晒し首に、というラストを見て軽いカルチャーショックをうけた。

 晒し首って、門の上とかに無造作に置かれているというのが、私の「晒し首イメージ」だったけど、違ったのだ。顔面はみえるけど耳を覆うような形で包まれ、木にぶら下げられていた。画面はバックからのみ映されていたが、信西は僧侶なのでスキンヘッドの後頭部が見えるに留まった。もっとも木の枝で揺れる包まれた生首というのはインパクト大だ。いままで(ドラマで)みたことがないパターンだもの。思わずビリー・ホリディの『奇妙な果実』が脳内で反響した。

 成功したかにみえたクーデターの後ご機嫌の義朝は、ひたすら「源氏一族の隆盛」、および「強さ」と「戦い」それも最終的には「清盛との勝負」にしか興味がないようにみえる。「この国をどうするか」とか「政(まつりごと)はどちらに向かうのか」とかは、はなから興味がないように見える。だからこそクーデターに参加してしまったのだが・・・。

 信西(阿部サダヲ)と藤原師光こと西光(加藤虎ノ介)のツーショットも、ユニークな取り合わせで素晴らしかった。

 なんだか歴史の非情な淘汰を、次々に見せてくれるドラマだなあ。諸行無常。

 さらに時代背景や歴史的事件の詳細、登場人物(歴史上の人物)のひととなりなど、自主的な興味から予習復習をしてしまうドラマでもある。いまさらながら、平安時代から鎌倉時代への移行期の面白さを知るはめになる。キャラの濃い人たちにもこと欠かないし。

 脚本家の藤本有紀さん、さすがのナイスチョイスだ。
1



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ