「≪世界の完全失業率をご存知ですか? 母国を見限り「大脱出」!??≫」
社説
皆さんは、完全失業率という言葉は聞いたことあると思います。
ここでは、詳細なことは割愛させて頂きますが、簡単にいいますと、その国の労働人口に対して、就業率が良いか悪いかがわかる指標です。
そして、それによって景気が良いのか悪いのか、の一つの目安としても使われます。
ちなみに、今の日本の完全失業率ってどのくらいか、ご存知ですか?
日本は現在、4.2%です。(2013年2月)
でも、この数字って良いのか悪いのかってありますよね。。
では、アメリカはどうなんでしょうか。
アメリカは、7.7%です。(2013年2月)
アメリカの方が数字が高いですね。
数字が高い方が良いと思いますか?
逆です。この数字は低いほど良いのです。
もっと具体的にいいますと、労働人口に対して、日本は4人に1人が就業している、アメリカは7人に1人が就業している、ということを表しております。
つまり、日本の方が良い、ということになります。
では、世界はどうなんでしょう。
今、景気が不安定なのはヨーロッパです。
そこで、今回皆さんに見て頂きたいのがこちらです。
先日、日経の1面に出ていたものです。
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若者の就職難は欧米から新興国に広がり、世界共通の課題として意識され始めた。放置した国では、社会の基盤を揺るがす事態に至っている。
「もう選択肢がなくなった」。コスタデルソル(太陽の海岸)と呼ばれるスペイン南部マラガ。職業安定所から出てきたホセ・バルガス(24)の表情は青い空とは対照的に曇っていた。
政府の教育支出削減に反対するスペインの若者(2月、バルセロナ)=AP
旧植民地へ流出
半年前から続く求職活動には手ごたえさえ感じない。「スペイン語が通じるメキシコやアルゼンチンなら仕事を見つけやすいかもしれない」。バルガスはネットで中南米の旧植民地の求人情報を探し始めた。
債務危機に伴う景気後退に苦しむスペインの若者の失業率は55%と、2人に1人以上が働けなくなっている。閉塞感から逃れるため若者は外国を目指す。国家統計局によると2012年1〜9月に5万5000人が外国での長期滞在を目的に同国を出た。08年の2倍近いペースの「エクソダス(大脱出)」だ。
弁護士、インテリアデザイナー、大学教員……。ドイツのベルリンで働くイタリア人が情報交換するサイトには高学歴の若者の名前やプロフィルが並ぶ。頭脳流出の最前線だ。12年1〜6月にドイツに移り住んだ外国人は50万人。ベルリンの語学学校には、後に続けとばかりに南欧から生徒が押し寄せる。
母国では強固な解雇規制で中高年の仕事が守られている。企業は非正規雇用の若者の解雇に走る。月1000ユーロ(約12万円)で働く大卒を例えた「1000ユーロ世代」という2000年代の言葉がかすむほど若者は追い詰められている。
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如何ですか?
若者の失業率が55%というのは、以上ですね・・
スペイン全体では、20〜25%くらい。
日本の実に5倍です!!
ワールドカップのサッカーで優勝したり、メッシという、サッカーのスーパースターがいて、東京とオリンピックの開催地として争っているスペインが、実はこんな状態だって、知らなかったですよね?
そして、実は、スペインと同じくらい厳しい状態にあるのが、イタリアです。
では、スペイン同様にイタリア記事内容もどうぞ
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イタリアでは若者の弱みにつけ込んで数百ユーロという低い賃金で働かせる「ヤミ労働市場」が問題になっている。雇い主は税金も払わず年金など社会保障費も負担しない。ボッコーニ大学教授のボエーリは「不透明な雇用形態は労働市場の約2割を占める」と分析する。
反改革を支持
2月のイタリア総選挙。躍進したのは改革路線を否定する新党「五つ星運動」だった。失業者への月1000ユーロ給付など財源の裏付けのない政策に、改革に疲れた若者が共感。政治は機能不全に陥った。痛みを恐れて改革を先送りする国を待っているのは社会崩壊の危機だ。
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どうですか? イタリア全体では8.5%くらい。
アメリカよりは、失業率が良かったりもしたりもありますが、経済レベルが違いすぎますからね。。。
しかし我々からすると、イタリアも厳しい状態にある、というところまでは感じとれないですよね。。
そして、昨年話題になっていたギリシャ。。
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イタリアやスペインを上回るペースで若者の仕事が消えるギリシャでは、社会保障や税収を支える世代がどんどん細り社会基盤を維持できなくなる懸念が膨らむ。国際社会から赤字削減を迫られた影響で、公共病院の資金繰りが悪化。欧州連合(EU)によると病院では医療用の手袋やガウンが不足し院内感染の恐れが高まっている。
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どうです?
ギリシャは17%でスペインほどではないですが、ギリシャという国自体がデフォルト債務不履行で大変です。
こうした情勢により、現況では、ユーロ圏全体に悪影響をもたらしてしまっているのです。
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誰か、欧州の若者に希望を」。今年1月、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)でドイツ首相のメルケルはこう訴えた。
失業者を手厚い給付で支え、強い力を持った労働組合が労働者の権利をかたくなに守る――。欧州に古くから根付く労働政策にしがみくスペインやイタリア。中高年にやさしい制度が若者の雇用を妨げる日本と通じる部分がある。
厳しい競争を生き抜かなければならない企業はこれからも即戦力の人材を求める傾向を確実に強める。失業や不安定な職業に追いやられる若者を放置すれば国は活力を失う。人材の海外流出、先細る財政――。南欧の苦しみは日本の「あした」でもある。
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以上です。
直近では、今度は、キプロスが問題になっておりますよね。。
このユーロ危機により、株価が上がったり下がってしているわけです。。。
で、数字の上下はありますが、世界の失業率の順位がわかるのはこちらになります。
http://ecodb.net/ranking/imf_lur.html
よかったらこの機会に参考にしてみてください。
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皆さんは、日本が良いと言ったって、正直、厳しいと思ってませんか?
生活保護費は高騰しており、国の借金は約1000兆円、既に消費税が10%になっても借金を減らせないどころか、それでも足りないと言われていて、貿易収支は過去最高額の赤字を出しました。
さらに、年金の財源は不足していて、60歳からの支給が65歳となり、70歳からの支給になるかもしれないとまで噂されております。。
決して楽な暮らしなんかではありませんよね。。
つまり、何が言いたいかと言いますと、世界で豊かとされる日本でさえも、こういう状態であるわけですから、この日本の5倍も悪いというのは、相当厳しいんだろうな、ということが想像出来てしまいますよね?
このように、失業率の指標を使った比較をして世界の労働事情をチェックすると、また違った角度からものを見ることが出来るようになりますね。
というか、日本よりもずっともっと大変な国があるわけですから、めげずに頑張りましょう、ということが言いたかったのです。
ね、一緒に頑張りましょう!

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