アベノミクスにより、景気が改善されつつあり、求人倍率が1倍を越え、失業率は3.7%に改善されました。
この雇用情勢を下支えしているのは、正社員ではなく、非正規雇用だそうです。
まずは、こちらをご覧下さい。
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非正規社員、最高の36% 失業率改善を下支え
昨年、医療・小売りで拡大 男性、初の2割超え
雇用情勢の改善が続くなかで、相対的に収入の低い非正規労働者の比率が高まっている。
2013年の平均は前年より1.4ポイント高い36.6%となり、過去最高を記録した。
男性では初めて2割を超えた。
内需が拡大し医療・介護や小売りなどでも就業者が増加。
失業率が6年ぶりの低水準に改善するのを下支えしているが、持続的な成長に向けては課題も多い。
総務省が31日発表した13年の平均の非正規労働者数は1906万人で、労働者全体での比率は36.6%。
10年以来4年続けての上昇となった。
女性は55.8%と既に高いが、男性も前年に比べ1.4ポイント上がり21.1%となり、非正規活用の広がりを物語る。
完全失業率(季節調整値)は09年7月に過去最高の5.5%を記録してから、緩やかに改善。
13年12月には3.7%と、07年12月以来6年ぶりとなる水準まで下がった。
原動力の一つが、パートタイマーや派遣社員、契約社員といった非正規労働者の求人の伸びだ。
たとえば、小売りではイオンが昨年12月に開業した千葉市のショッピングセンターで、パートタイマーやアルバイトを数千人規模採用している。
セブン―イレブン・ジャパンなどコンビニエンスストア大手5社は14年度、計4800店を国内で出店予定で、外食チェーンとのアルバイトの奪い合いが激しさを増す。
製造業でも非正規労働者への引き合いが強い。顕著なのは自動車関連で、消費増税前の駆け込み需要や円安による輸出増で生産台数を増やしている。
トヨタ自動車やマツダなどは「期間工」と呼ばれる非正規の工場従業員を増やし、全国で募集を積極化している。
産業別の就業者では、医療・福祉が23万人増えて735万人に、卸売業・小売業が7万人増えて1057万人となった。
日銀の金融政策で円安・株高を演出し、内需をも刺激したアベノミクスの効果が、雇用の面にも表れてきた形だ。
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いかがですか?
で、こうなると、あとは賃金昇級への還元という話しがより聞こえてくるのかと思います。
しかし、全体の統計では、あまり変化は見られないかもしれません、というように言われております。
なぜだかわかりますか?
それは2つの理由があるから、と言われております。
ひとつは、正社員に比べ、賃金が低い非正規雇用が多くを下支えをしているため、必然的にそうなる、ということ、
及び、もうひとつは、
非正規であることで、103万の扶養控除の壁、130万の扶養から外れる壁があるため、103万、130万以上は無理に稼がない、ということです。。
なるほど、ある意味間違っていないかもしれません。。
そのため、政府としては、非正規そのものを減らし、正社員を増やそう、という動きが意図的におきているわけです。
で、実は、いま、厚労省などが、水面下では、密かに増えすぎてしまった派遣会社を一掃してしまおうと、潰しにかかっているのご存知でしょうか。。
それがわかるのが、26業種を廃止し、特定派遣をなくす。。というやつです。
私も、ブログで幾度か説明してきましたが、今一度、チェックしてみて下さい。
こちらです。
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派遣見直し15年から 労使で決着、無期雇用を拡充
人材会社、全て許可制に
2015年春から適用する労働者派遣制度の見直し案が固まった。
企業が派遣社員を受け入れる期間の上限を事実上なくし、3年ごとの人の交代で同じ業務をずっと派遣社員に任せられるようにする。
派遣元と無期契約を結んだ派遣社員は期限なく働けるようにする。
制度見直しによって企業は派遣社員を活用しやすくなり、派遣社員の働き方の選択肢も広がる見通しだ。
労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会で、厚生労働省や経済・労働界によるとりまとめ作業が決着する見通し。
今通常国会に労働者派遣法改正案を提出し、成立を目指す。現在約130万人いる派遣社員の働き方が変わりそうだ。
いまの制度では、仕事の内容が派遣の期間を左右している。
通訳や秘書、取引文書をつくる業務などは「専門26業務」と呼び、派遣社員は特別に期限なく働くことができる。それ以外の業務は最長で3年となっている。
新制度ではまずこの業務区分けをやめる。
区分廃止で、何が26業務にあたるか分かりづらかった問題を解消し、派遣社員に仕事を任せやすくする。
そのうえで、派遣元と無期の契約を結んだ人は派遣先で期限なく働けるようにする。有期の契約を結んだ人は、派遣先で最長3年働ける。
派遣期間の上限は「業務」で判断せず、「人」ごとにする。これまではある業務を任せる場合、3年以内で何人も代わるケースがあったが、今後は個人ごとに最長3年働けるようにする。
労働組合側は正社員の仕事が派遣社員に置き換わる可能性があるとして、見直し案に反発していた。
このため、3年ごとの切り替え時に正社員の職をおびやかさないかなどを労使でチェックする仕組みを取り入れる。
働き手個人の雇用を安定させたり、待遇を良くしたりするため、派遣元の人材派遣会社に対しては責任を重くした。
派遣元に労働者の教育訓練を義務付けたほか、3年の期間が終わった労働者に対し、(1)派遣先企業に直接雇用を申し入れる(2)新たな派遣先を提供する(3)最終的な受け皿として自社で無期雇用する――措置を強く求める。
派遣会社へのチェックも厳しくする。現在届け出制と許可制の2種類がある事業者について、基準が厳しい許可制に15年春から一本化する。
許可基準は2000万円の純資産の保有など。
届け出で済ませていた事業者の事業所は全国に5万カ所あるが、今後は撤退が相次ぐ可能性が高い。
派遣制度の規制緩和は、流動性の高い労働市場の形成を重視するアベノミクスの成長戦略にも沿った動きだ。
民主党政権時と比べて今回は企業が派遣社員を活用しやすい点に重きが置かれているが、派遣社員にとっても働き方の選択肢拡大につながる。
人材活用と雇用の安定を両立できるかが問われる。
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今回は、この法改正についての詳細については割愛しますが、この法の趣旨は、企業が長期に渡り、派遣を使えないように規制している、というのが、一番の趣旨となります。
で、これに対して今回は、例外として、派遣元と派遣スタッフさんとで、無期雇用を結べば、3年という縛りは消え、ずっと派遣出来るようになりますよ、ということが改定されます。
つまり、条件として、所属の派遣会社がコスト負担すれば良いですよ、ということを言っているわけです。
で、もうひとつ、特定派遣制度をなくし、全て一般派派遣免許制に統一。。
これは、派遣免許を持つには、条件として、最低限の事務所の広さや資産2000万がないと出来ませんよ。。といっております。
これらは、どういうことかわかりますか?
大手の派遣会社だけ残し、あとはこれで少し派遣会社が淘汰されてほしい。。という意図が伺えます。
事実、派遣業界は縮小してしまうかもしれません。
派遣を自ら選んで働く人は、引き続き派遣を活用してもらい、派遣ではなく、本当は正社員になりたい、という人には、なるべく正社員になれるように、社会構造を変えよう、というわけです。。
それが、わかる動きとして、今週の、読売新聞でこんな記事が掲載されたのをご存知でしょうか。
こちらです。
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「正社員前提」派遣に助成…来年度から政府方針 若者の雇用改善
政府は、派遣社員として一定期間働いた後、正社員になれる「紹介予定派遣」に、2014年度から助成金を出す方針を決めた。
学校卒業後も就職できない若者などを支援することが狙いで、紹介予定派遣を通じて正社員に登用された場合、派遣企業に成功報酬などを支払う新制度を導入する。
新制度は、大学卒業からおよそ1年後でも、就職先が見つからなかったり、非正規雇用だったりというような若年者の利用を想定し、無料でサービスを利用できるようにする。
政府は全国を5ブロックに分け、各ブロックで紹介予定派遣企業と委託契約を交わす。
紹介予定派遣企業は、対象者に社会人マナーやパソコンの使い方などの基礎研修を行い、派遣先を紹介。最長6か月の派遣期間の間も個別相談などにより、正社員になれるように支援する。
政府は、基礎研修にかかる経費を一部負担するほか、正社員に登用された場合には派遣企業に1人あたり10万円程度を成功報酬として支払う方向だ。13年度補正予算案で、こうした事業に43億円を計上し、補正予算成立後、14年夏前からの開始を想定している。
厚生労働省などによると、13年春に卒業した大学生の就職率(13年4月1日現在)は93・9%だが、就職した大学生の3割近くが3年以内に離職しており、「雇用のミスマッチ」が問題となっている。
大学などの新卒者については「正社員になれるケースと非正規のままのケースの二極化が強まっている」(厚生労働省幹部)とされる。
政府は、紹介予定派遣の試用期間によって若者と企業のミスマッチを避ける効果を期待している。
正社員としての雇用が難しい若者には派遣企業のノウハウを利用して、教育訓練から職業紹介まで手厚く支援する考えだ。
厚生労働省によると、11年度、紹介予定派遣から2万5927人が正社員に登用された。政府は3年間で7500人の若者が新制度を利用できるようにする方針だ。
◆紹介予定派遣=人材紹介と人材派遣の両方の許可(一部は届け出)を受けた企業が行うことのできる事業形態。派遣企業は就職先が見つからない人に社会人マナーなどの基礎研修を行い、一定の試用期間後、正社員になる前提で派遣先を紹介。労働者と派遣先が合意すれば正社員になれる。働き手と企業のミスマッチも防げるため、欧米では普及しており、日本でも2000年12月に導入された。
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どうです?
実は、厚労省はもともと派遣制度そのものに対しては否定的なんです。
そのため、この機会に派遣を一層してしまおう、という思惑があります。
それが本意でなくとも、国民からの要望が入っていることは否めないと思います。
僕は派遣は利用するもので、利用されるもとではない、ということを言っております。
上手く利用すれば、とっても良い制度だからです。
確かに、一部悪いブラック派遣会社がいるのも事実です。
ただ、このために、これをやるとなると、せっかくのアベノミクス、女性労働の活用などが生きなくなってしまうでしょう。
労働市場がますます縮小してしまうかもしれません。
というのは、企業は、正社員にしろ、と言われても、コストがかかるため、したくても出来ないのです。
それを派遣で上手くコントロールして来ているのです。
しかし、それが出来ないとなると、今度は派遣をやめで、アルバイト・パートに切り替えていくことになるでしょう。
そもそも、生活保護もそうですが、国や会社になんとかしてもらおう、という思いが根本的に間違ってます。
正社員も、今だってその人次第で、正社員になれます。
僕のスタッフさんも正社員になっている人がおります。
いつも言いますように、自力で頑張る人は、企業が欲しがるのです。
しかし、自分は努力せずに、人任せの人は、正社員対象から外されます。
自力で頑張っている人を支援、サポートする制度は大賛成ですが、全て人任せで、国や会社がなんとかしてくれるだろう、という人も正社員にしてしまう、というような社会構図が出来上がってしまったら、それはもう資本主義ではありません。
この際、日本は社会主義国家にしてしまった方がいいのでは?と思ってしまいます。
旧ソビエトも、中国ももともとは、社会主義国家でした。
でも、資本主義国家になったわけですよね。。
話しが脱線しましたが、人のために、助けて!、困った!、を支援してがんばっているのに、法に振り回されるのが、人材サービスの宿命なんです。
それでも、僕は、派遣サービスは、本当に良いサービスだと思っているため、これからも、皆さんが、派遣を上手に活用して、スキル、キャリアを図る方法を伝授して行きます。
ITでは、他業種よりも稼げますからね。
つまるところは、正社員になりませんか?と言われるレベルになってしまえば良い話しなのです。
そもそも正社員イコール安定、というのが間違ってますけどね。
今のソニーのように、減収減益、赤字になれば、閉鎖、合併、売却、リストラ、倒産に陥ります。
次のお仕事がすぐに見つかるか自信がない、ということですと、派遣で契約が終わってしまうのを、日々ビクビク恐れてしまうことになります。
そうではなく、国や会社に安定を求めず、自分のスキルを磨き、自分の価値を高め、自分に安定を求められるようになれば、逆に、正社員でも派遣でも、状況に応じて選べるようになります。
派遣でも、優秀な人材は取り合いになります。
そうやって、個人の看板でアピール出来、歩いていけるようになることです。
それが、僕が推奨する、ビジネスパーソンの在り方なんです。

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