待機児童ゼロ対策として、保育所・学童保育の増設を行っている一方で、病児保育の対応課題もある、というお話しを以前させてもらいました。
そしてさらに、新たな政府の施策として、子供の貧困問題についての対応が言われ始めました。
子どもの貧困問題とはいったいなんでしょうか。。
日経のこちらを見てください。
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政府、子ども貧困対策で大綱
月内にも閣議決定 教育支援など柱に
政府の子どもの貧困対策会議(議長・安倍晋三首相)は今後5年で重点的に改善すべき項目を決め、大綱にまとめる。
経済的に余裕がない家庭で育つ子どもの大学進学率、学校に配置するソーシャルワーカーの数などを指標として政策効果を検証すると明記。月内にも閣議決定する方針だ。
大綱は「教育の支援」「生活の支援」「保護者に対する就労の支援」などの5分野で構成。貧困率や大学進学率、就職率などの指標をもとに改善に取り組み、5年ごとに施策を見直す。
幼児教育無償化の推進やNPOと連携した学習支援の充実、奨学金の拡充、卒業後の所得に奨学金返済額を連動させる制度の検討などを盛り込む。政府の大綱をもとに各都道府県は具体的な貧困対策計画をまとめる努力義務が課せられる。
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いかがですか?
子どもの貧困問題とは、= 経済的に余裕がない家庭で育つ子ども のことです。
まだ表だって大きくは取り上げられてはおりませんが、最近の児童虐待や育児放棄の問題、耳を疑うような事件などの発生が深刻化している背景があるから。。のように思われます。
で、読売で、その幾人かを取材で取り上げておりましたので、その中のいくつかをご紹介します。
こちらです。
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[貧困 子供のSOS]
豊かなはずの日本で、子供の6人に1人が貧困に苦しんでいる。
厚生労働省が15日に公表した2012年の子供の貧困率は16・3%で過去最悪を更新した。
貧しさから進学をあきらめる子や、食事も満足にとれない子がいる。家庭の経済状況で、子供の将来が左右されない社会を作るにはどうすべきか。この夏、国は「子供の貧困対策大綱」をまとめる。
現状をリポートし、課題を探る。
クリスマス おにぎり1個…「同級生と住む世界違うんだ」
ガラス窓越しに真冬の冷気が入り込む。昨年のクリスマス。首都圏の公営住宅に住む女児(12)は薄暗い部屋で、スエット姿で毛布にくるまり、寒さに震えながら、母親(50)の帰りを待っていた。
外の廊下に響く足音が玄関前で止まる。メーターボックスを開け、水道のバルブを閉める音が聞こえた。台所の蛇口をひねると水は出ない。「またなの?」。思わずため息をついた。
帰宅した母親と空のペットボトルを抱えて近くの公園に行き、水をくんだ。自宅との間を何度も行き来していると、近くの民家から「勝手にくむな」とどなる男の声が飛んできた。
持ち帰った水でのどを潤し、母親とおにぎりを一つずつほおばった。この日初めての食事。あまりの惨めさに、涙も出なかった。
母親と2人暮らし。幼いころから母親が仕事でいなくなると不安に襲われ、自分を傷つけたくなる。介護ヘルパーの母親は、そんな自分を心配して短時間しか働けず、給料は月10万円に満たない。料金未払いで電気、ガス、水道がたびたび止まる。昨夏も電気が止まり、エアコンが使えず、熱中症になった。今年は日中の暑さをしのぐため、近所の図書館で過ごしている。
食事はNPO団体から配られる賞味期限が迫ったレトルト食品や缶詰でしのいでいるが、月末が近づくと底をつく。そんな生活が5年近く続いている。
体調を崩しやすく、毎月のように風邪をひく。母親が家計をやりくりし、本や文房具を買ってくれることもあるが、「食費に回せるのに」と思ってしまう。
小学校の同級生はスマートフォンでゲームに熱中し、休み明けは、家族旅行の思い出話で盛り上がる。そんな姿をみる度に、「住む世界が違うんだ。私は身分が違うんだから、仕方がない」と言い聞かせる。苦しい状況を知られたくなくて、友達と深くつきあえない。
「私なんかダメなんだって、いつも思う」。母親の隣で力なく笑った。
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「貧困家庭の子供のSOSが届いていない」。神奈川県立保健福祉大教授(社会福祉学)は指摘する。
教授によると、教職員の研究報告や研修会で、家庭で食事をとれない子供がいるという報告が増えているが、実態は十分に把握できていない。
いまの貧困は、子供の体格や服装などの外見から判断するのが難しいうえに、貧困を「恥」と考えたり、子供を育てられない親だと思われるのを心配したりして、外部に助けを求めるのをためらう親が多いためだという。
親が声を上げても、窮状から抜け出すのは容易ではない。
「これまで、よく頑張ったね」。2012年冬、長野県内に住む元派遣社員の女性(28)は、娘の受診のために訪れた病院で医師から声をかけられ、泣き崩れた。
夫の暴力に耐えかね、10年に長女(8)と次女(6)を連れて家を出た。うつ病で仕事を休みがちになり、収入が減って食費もまかなえなくなった。そんなとき、医師から優しくされ、思わず「助けてください。どうしていいかわからない」と叫んでいた。
医師から紹介された病院の相談員の勧めで、福祉事務所に生活保護を受けられるか相談したが、「仕事をしてください」とはねつけられた。病状は悪化し、仕事にも就けなくなった。
電気を止められ、ろうそくをともして暮らした。娘の食事はもらった野菜と買い置きのコメで作った雑炊が茶わんに1杯ずつ。
「このまま死んじゃうの?」。おなかをすかせた娘から聞かれても、抱きしめることしかできなかった。
相談員の後押しで生活保護を受けられるようになったのは、今年1月。ようやく子供に肉を食べさせてあげられるようになった。
女性は訴える。「病院の人たちには感謝している。でも、子供が死ぬかもしれないという思いをするまで、行政は目を向けてくれなかった。私たちのような人は、たくさんいるはずです」
子供の貧困率16.3% 2012年過去最悪
【子供の貧困率】
平均的な生活ができない所得水準の家庭で育つ子供の割合を示す。経済協力開発機構が基準を定めており、世帯所得を1人当たりに換算して国民全員を所得順に並べ、ちょうど真ん中の人の半分(2012年は122万円)に満たない18歳未満の子供の数で算出する。03年以降、悪化し続けており、12年は3年前と比べ0.6ポイント上昇した。離婚率が高くなり、一人親家庭が増えたことなどが要因とされる。母子家庭は約124万世帯に上り、平均年間就労収入は父子世帯の半分の181万円。母子家庭のうち生活保護を受給しているのは約1割にとどまる。
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いかがですか?
生まれた環境というのは、人それぞれの運命ですから、それ自体を倫理的に言うことには相違があります。
ただ、子供が十分な学習が出来ず、進学を諦める、諦めざるを得ない。。というのは、先進国日本において厳しい現実です。
で、このような現実がある中で、可哀想だから支援する。。というと語弊が生じますが、国が焦っているのが、ただでさえ、少子高齢社会なのに、その貴重な子供達をドロップアウトさせてしまうと、結果的に、日本の国力低下を促進させてしまうということが一番の懸念になっております。
現代は多様な生き方になった時代です。
離婚やシングルマザー・ファザーが珍しくなくなりました。
僕もその一人です。
今後の日本を考えた法や制度のあり方が問われる時代に入りました。
色々な意味で変革の時です。
皆で日本が良くなるために、協力し考えて行きましょう。
そして、本日の読売の1面がこちらです。
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子供の貧困専門家 8500人増
政府大綱最終案 中学5000校で学習支援
政府が初めてつくる「子供の貧困対策に関する大綱」の最終案が23日、明らかになった。
5年後の目標として、〈1〉子供にまつわる問題を改善する専門家(スクールソーシャルワーカー)を現在の1500人から1万人に増やし、全国の市区町村に置く〈2〉大学生や教員OBらが無料で学習支援する中学校を700校から5000校に増やす――ことなどを掲げた。政府は月内にも閣議決定する。
厚生労働省の調査では、2012年の18歳未満の子供の貧困率は過去最悪の16・3%で、300万人を超える子供が貧困に直面しているとされる。
大綱では、「子供の将来が生まれ育った環境で左右されたり、貧困が世代を超えて連鎖したりする」ことをなくすとの基本理念を打ち出す。そのうえで、2015年度から「教育支援」「生活支援」「保護者への就労支援」「経済的支援」「調査研究」「施策の推進体制」の6分野に力を入れることを盛り込んだ。
主な取り組みとしては、学校を「子供の貧困対策のプラットホーム」と位置づけ、スクールソーシャルワーカーが貧困問題や児童虐待などの相談に応じる。
経済的な事情で勉強が遅れがちな中学生に対しては、大学生や教員OBらのボランティアが放課後や週末の空き教室で、教材費を除いて原則無料で勉強を教える体制を整える。
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これからの日本を担う、子ども達の将来のために・・

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