ペヤングのゴキ混入から始まり、マックの異物騒動は言わずと知れた状況です。。
このような中、私たち消費者は、食の安心安全に対して、今まで以上に敏感にならざるを得ない状況になってしまっております。。
特に、小さなお子さんを持つママたちは厳しい目をお持ちです。
ちょっと日経のこちらを見てください。
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願いは健康長寿 (1)ママたちは食べ物が心配
「ゼロリスク」価値を生む
東京都小平市。冬の寒さを感じさせない栽培ハウスの中で、ホウレンソウが元気に育っていた。
「小さな子どものお母さんたちから『おいしい』と言われるのがうれしい」。有機農産物を宅配する「大地を守る会」(千葉市)に野菜を卸す農場主のKさん(42)は話す。ホウレンソウは妊娠中の女性に必要な栄養素、葉酸に富む。Kさんは農薬や化学肥料も一切使わない。こうした情報が大切な価値となる。
「できるだけ自然」
年の初めに家族や自分の健康と長寿を祈った人も多いだろう。その願いは世代を超え共通するが、中でも妊娠や出産を控えた女性たちには切実だ。追い求めるのは「ゼロリスク」。現実にはあり得ない100%安全な食品や農水産物だ。
大地を守る会の利用者は約20万人おり、うち9割強を女性が占める。その大半は妊娠や出産をきっかけに利用し始めた。東京・杉並の主婦、Mさん(34)もそんな一人だ。昨年、長男を産み「子どもにはできるだけ自然な食べ物を食べさせたい」と心から思う。
神経質との声もあるが食品メーカーや農家から見れば健康やゼロリスクへの切実な需要は新たな商機と映る。無農薬、有機、国産……。こんな食品や農水産物の情報が市場を広げる。
タリーズコーヒージャパンのグランツリー武蔵小杉店(川崎市)はいつもマタニティー服を着た女性たちでにぎわう。「デカフェでお願いします」。眠気ざましでコーヒーを飲むサラリーマンと異なり、彼女たちはみな一様にカフェイン抜きのコーヒーを注文する。
カフェインは胎児に影響する妊娠中や授乳期には控えた方がよいとされる。だが、この店ではほぼ全てのコーヒーをカフェイン抜きにできる。彼女たちが殺到するのも無理なかった。同社の広報担当者は「これほど潜在需要があったとは……」と驚きを隠さない。
カフェインの入っていないコーヒ
ーが母親たちに人気(川崎市内の
タリーズコーヒー)
絶対的な安全・安心を求められるだけに、消費者の不安の声には迅速な対応が欠かせない。国産野菜100%の離乳食を売り物にする和光堂は「コオロギが入っていた」との苦情に対し混入経路をまだ特定できない8日の段階で対象商品の自主回収に踏み切った。
情報開示カギに
粉ミルクやベビーフードも手掛ける明治は「赤ちゃん相談室」を設けた。「甘いものばかり好んで食べますが将来の健康に影響しないでしょうか」。母親たちのこんな悩みに同社の栄養士たちが電話で答える。
どの世代よりも強く食と農にリスクゼロを求める若き母親たち。精神科医のAさん(55)は「現代の母親は子育ての自信や相談相手がなく、あふれる情報に翻弄されることが多い」と指摘する。衛生管理を含めた適切なリスク情報開示や消費者との意思疎通が付加価値を生む。
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いかがですか?
日本の品質が高くなるのは、このような文化の下に成り立っているからなのかもしれません。
その一方で、このような問題も生じているようです。
続いても日経です。
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小さな赤ちゃん、終戦直後より割合高く
女性の「やせ願望」も一因か
かけがえのない命を育む妊娠期の食。日本は体重の増えすぎで妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病にならないよう栄養指導に力を入れているが「必要な量を食べていない妊婦も多い」(F早大教授)という
20代女性の1日あたりの平均エネルギー摂取量は1628キロカロリー。厚生労働省の食事摂取基準(2015年版)が定める「普通の身体活動レベル」の推定エネルギー必要量である1950キロカロリーを大きく下回る。
女性の「やせ願望」もエネルギー摂取不足の一因とみられる。厚労省の国民健康・栄養調査によると、体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った体格指数(BMI)が18.5未満のやせている成人女性の割合は13年調査で12.3%(前年比0.9ポイント増)と過去最高を更新した。中でも20代が21.5%と最も高く、30代も17.6%と高かった。
やせ願望の強い妊娠前の食習慣が妊娠中も続く結果「栄養状態の望ましくない妊婦が多いと考えられる」(厚労省)。妊婦はエネルギー摂取量を増やす必要があるのに、実際の摂取量は07〜11年平均で1787キロカロリーとかなり低めだ。
妊婦が栄養不足だと新生児の体重も低くなりがちだ。2500グラム未満で生まれた子どもの割合は13年に9.6%と「食料不足だった終戦直後と比べても3割高い」(F早大教授)。出生時の体重が低いと将来、生活習慣病リスクが高まるとの研究もあり、妊娠期の食の大切さが見直されている。
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どうです?
食の安心安全に敏感になる一方で、女性ならではの女心があるようです。。
しかし、食の安心安全を望んでも、しっかり食べる時に食べないと何のための安心安全かわかりません。結局のところ我々は、健康長寿を望むために、食の安心安全を求めているわけです。
それが、長寿大国、日本ににつながるのです。
続けて日経を見てください。
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願いは健康長寿 (2)あと30年働けますか
サプリに断食…私流探し
ビタミン、アミノ酸、鉄、必須脂肪酸……。慶大医学部の教授、Tさん(59)は毎食、数十粒のサプリメントで締める。量は1日128錠。14年前、研究の一環で、不足しがちな栄養を補うために飲み始めたが、今では主食のようだ。
野菜中心の食事をとり、運動も欠かさない。それでも「最適量の栄養はとれない」からサプリで補う。「飲むのをやめたら体調が悪くなった」
3日ぶりの食事
「白菜ってこんなにおいしかったの」。昨年11月下旬、栃木県の「アイランドホテル&リゾート那須」で、K子さん(58)は3日ぶりの食事に舌鼓を打った。直前2日間、口にしたのは野菜や果物のジュースと水だけ。数カ月に一度の断食だ。
衣料品企画会社を経営し仕事優先の生活。外食中心で脂っこい食事になりがちだ。「断食で体をリフレッシュさせる」
働き盛りの30〜50代に新しい食が広がっている。市場調査のインテージ(東京・千代田)によると、国内の健康食品・サプリ市場は約1兆5000億円。効能の裏付けがあるものは少ないが、年々拡大を続ける。断食プランも盛況。プリンスホテルは首都圏で年10回ほど2泊3日の「週末断食」を提供。中高年の人気を集める。
食べることに不自由があまりなかった世代だ。世界の料理や食材に親しみ、体はふくよかに。40代男性の肥満者の割合は35%(2013年)。20年前から10ポイント上昇し男女の全年代で最高になった。
一方で健康維持に懸命だ。30〜40代男性の2割近くが週60時間以上働く。55歳だった定年は事実上65歳に伸びた。年金不安から70歳以降も働こうと考える人も。だから体によいと聞けば、新しい食をためらわない。
食事のあり方は古来、ビジネスの事情に左右される。日本に1日3食が定着したのは江戸時代。ろうそくの普及や労働の長時間化が原因という。米国は20世紀初め。トーマス・エジソンが電気トースターを売るため「1日2食は不健康。3食食べよう」と宣伝したことが大きい。グローバル化で仕事の時間が一様でなくなった今、「食事の中身や取り方が多様化するのは当然」。東京家政学院大学の名誉教授、S子(71)は言い切る。
社員の栄養管理
労働人口が減る中、社員に長く働いてもらうため、企業も健康な食の確保に乗り出した。
「最近、脂質が多いな」。社員は自席のパソコンで栄養摂取状況を確認して社員食堂へ。オタフクソース(広島市)本社の昼の風景だ。昨年、栄養管理システムを導入した。
総務部長のHさん(51)はこの1年で体重が7キログラム減った。「昼食だけでもチェックすれば、体は変わる」。将来はデータを生かした健康指導に発展させる計画だ。
社員食堂で食べた食事情報の履歴
が個人のパソコンに表示される
(広島市のオタフクソース)
バブル景気に沸いた80年代末、「24時間、戦えますか」が売り文句のドリンク剤が人気を集めた。それを飲み疾走した若手も50代に。食で追い求めるのは長距離走だ。あと30年、働けますか。模索は続く。
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模索が続く中で、このようなデータ分析もありようです。
最後も日経です。
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肉類摂取、40年弱で4割増 量から質へ、長寿を後押し
年に日本人の平均寿命は男性が50.06歳、女性が53.96歳だった。その後は右肩上がりに伸び、2013年には男女とも80歳を超えた。世界に冠たる長寿国になれた一因は食生活の変化と見られる。
高度経済成長を終えた75年を基準にすると、2013年までに摂取量が最も伸びたのが肉類だ。40年弱で4割近く増えている。牛乳など乳類は2割程度増え、野菜類も1割強増えた。
一方、大幅に減ったのが米や果物で3〜4割減。魚介類も減少傾向で、食べた量を重さで比べても00年代後半に肉類と逆転したままの状態が続く。
日本人全体のエネルギー摂取量は低下傾向にある。そうした中で寿命を伸ばしたのは「食の量ではなく質が変わったからだ」と人間総合科学大学のS教授は指摘する。肉類の増加で筋肉作りに欠かせない必須アミノ酸などを多く含む動物性たんぱく質を効率よく摂取できるようになった要因が大きいという。
特に長寿化をけん引する70代以上は03年からの10年でたんぱく質に富む肉類と乳類の増加率がほかのどの世代よりも多い。魚もほかの世代に比べて減り方が少なく「最もバランスが良い世代」(S教授)だ。
今の70代以上は戦後の食糧難も経験し、若い頃は粗食だった。食生活の変化が高齢化の進行と重なり、長寿を支えているとの見方もできそうだ。
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贅沢のための豊さではなく、豊になることで、きちんとした食事を食べれることが出来るようになり、それが結果的に健康長寿になる、ということは、人間が生きていく中で必要な豊かさです。
医療の発展の一方で、健康長寿の病気予防が、保険料もかからず、一番大事です。

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