日本社会が育児の後進国として奮闘している中で、経済国としては後進国のフィリピンが、育児としては先進国であるようです。
いったいどういうことでしょうか。
早速、日経です。
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フィリピンは「先進国」家事、他人とシェア
共働きが主流になった日本。
家事や育児を抱えて働く女性に「頑張れ」と言うだけはあまりに無責任だ。
負担を分け合う新たな仕組みが要る。
ヒントの一つがアジアにある。フィリピン・セブ島。4歳と7歳の子を持つシングルマザーの佐藤ひろこ(36、写真)は、観光情報誌を発行する経営者だ。現地のマッサージ店に勤めていた2007年に「日本人向け情報が少ない」と立ち上げた。
ホテルとの打ち合わせ、英会話学校とのイベント企画、社内ミーティング。各地をめまぐるしく動き、帰宅は午後8時をすぎることも多い。仕事に集中できるのは2人のフィリピン人メイドが子どもの世話や家事をしてくれるためだ。
費用は月に3万円程度かかるが「ここでは働く女性がメイドを使うのは一般的」。世界経済フォーラムが調べた女性管理職比率は日本は11%なのにフィリピンは48%。世界トップクラスの原動力は家事の代行や育児支援サービスにある。
日本では家事や育児を他人に委ねることに否定的な風潮が強い。経済産業省が昨年6月に25〜44歳の女性に聞いた調査では、家事代行サービスの利用経験がある人はわずか3%だった。だが急速に広がる日本企業の海外展開が、そんな意識を変えるかもしれない。
住友商事に勤める出浦直子(33)は昨年12月、赴任先のタイで長男を出産した。日本では1年程度の育児休業を取るのが一般的だが、出浦は0歳児保育を使い、8週間で職場復帰した。「タイでは当たり前。同僚も同じように働いており、不安はなかった」。来月からは会社が新設した補助でベビーシッターを雇う。
外国人に家事を委ねる機運は国内でも出てきている。医療シンクタンクに勤める土井甲子(31)は6月初旬の休日、家事代行マッチングサイト「タスカジ」を使い、フィリピン人ハウスキーパーに自宅の掃除を頼んだ。
「次は何をしましょうか」。夫が日本人で永住権を持つロドラ(39)は日本語で土井の指示を仰ぎ、居間や風呂場を掃除していく。その間、2歳の長男と遊んだ土井は「子どもとたくさん触れあえて、心に余裕ができた」。日本人キーパーも選べたが「子どもが英語に触れる良い機会」とあえて外国人にしたという。
昨年7月に開業したタスカジの利用者はすでに1500人。料金は1時間1500円からと、3000円程度かかる他の家事代行より割安だ。取り次ぎに徹し、自社でハウスキーパーを抱えないので安くなるという。
コストをかけずに子育てを助け合う動きもある。東京・代官山にあるシェアハウス「スタイリオウィズ代官山」は20〜30代のシングルマザー5世帯、単身者8世帯が大家族のように暮らす。
「買い物に行くから、ちょっと子どもを見てて」。リビングで母親が互いに簡単な仕事を頼むことで子育ての負担を軽くする。家賃はワンルームで9万〜11万円。近隣マンションと変わらない。
家事の担い手不足を家庭の中で解決するのは限界がある。家の外と家事を分け合う様々な形を創ることが、働く女性を輝かせる。
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如何ですか?
家事を第三者に任せる、ということが、フィリピンでは文化として定着しているのですね。
48%の女性管理職という数字が物語っていますね。
だから、フィリピンの人達は、家事代行、メイド、介護、看護師に抵抗なく自然に入っていけるのでしょうね。
むしろ、日本よりも下地があるわけですから、もっと日本は外国人看護師活用規制枠などを緩和すべきですよね。
で、実際に家事代行マッチングサイト「タスカジ」は、フィリピン人が中心に活躍しているようですよ。
もう少し詳しく見てみましょう。
日経のこちらです。
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家庭に笑顔もたらす家事代行 担い手は外国人が主役
「ハロー」。日曜日の午前9時、ワーキングマザーの土井甲子(きのえ)さん(31)が玄関の戸を開けるとフィリピン人女性が笑顔で立っていた。家事代行のマッチングサイト「タスカジ」で頼んだハウスキーパーのロドラ(39)さんだ。
自宅の掃除をハウスキーパー(右)に依頼
し、息子の文世くん(左)との時間を過ご
す土井甲子さん(都内)
■育児との両立を支援
彼女はさっそく掃除に取りかかる。掃除機をかけ、床をふき、風呂場を洗う。ずっと汚れが気になっていた部屋の隅もすっかりきれいになっていく。その間、土井さんは2歳の長男と遊んで過ごす。今までは家事に取られていた日曜日の朝が、子どもとふれあう時間に変わった。
土井さんは大学卒業後、PR会社に勤め、出産を機に仕事を辞めた。その後、「もう一度仕事がしたい」と医療シンクタンクに再就職。今は正社員として事業開発を任されている。
育児との両立は大変だ。夕方、保育園に息子を迎えに行き、帰宅後、夕食の支度に取りかかる。仕事の電話がくれば、携帯電話を片手にフライパンを振る。外資系証券会社に勤める夫は家事や育児に協力的だが、帰宅は頻繁に深夜になる。フルタイムで働く平日に家事をこなす余裕はなく、週末が来るたびに掃除や洗濯に追われ、子どもとふれあう時間は奪われていく。「もうダメ」。肉体的にも精神的も追い込まれたとき、家事代行サービスに目がとまった。
「タスカジ」の仕組みは通常の家事代行サービスとは異なる。自社で抱えるハウスキーパーを派遣するのではなく、あくまで利用者とハウスキーパー希望者をマッチングするサービスだ。料金は1時間1500円からと一般的な家事代行の半額程度。サイト上の口コミ情報でハウスキーパーの評判を確認し、「この人なら」と思う人に申し込む。
運営するブランニュウスタイル(東京)の和田幸子社長(39)は元富士通のシステムエンジニアだ。「自分が育児をしながら仕事を続けるために家事代行が必要だった」。ところが手ごろな家事代行サービスがないことに気づく。「困っているなら当事者が立ち上がり、解決したらいい」と自らが起業し、昨年7月にサービスを始めた。
■フィリピン人が中心
利用者は約1500人まで増えた。登録するハウスキーパーは日本人もいるが、7割以上が外国人。日本の永住権を持っていたり、日本に留学しているフィリピン人が中心だ。土井さん宅に来たロドラさんも夫が日本人で、日本の永住権を持つ。小学6年生の娘がいて、家事が得意だ。「時間に融通が利くから」とハウスキーパーの仕事を始めた。
和田社長は「ハウスキーパーという生活のパートナーを見つけ、子どもと過ごす時間を増やしてほしい」と話す。
土井さん宅では、掃除や片付けを終えたロドラさんが家を後にする。「バイバイ」。笑顔の息子とハイタッチした。土井さんも最初は他人を家に上げることや家事を任せることへの抵抗感があったが、頼んで良かったと思う。そして「子どもが英語にふれあういい機会」と日本人ではなくフィリピン人に頼んだことも正解だった。
「家事をお願いするだけでこんなにも状況が変わるなんて」。これからもときどき利用するつもりという。子どもとの時間を大切にするために。
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で、もう一つ皆さんに聞いてもらいたいことがあります。
女性が子供を抱えて海外赴任する。。って、日本人の考えでは、かなり無理がある、不可能でしょう。。って思っちゃいますよね。
ですが、
それが、逆に海外だから出来る!ということらしいですよ!
なんなんですかね?
引き続き日経です。
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ママ社員だってあきらめない 子どもを連れて海外赴任
海外展開が進む日本企業。小さな子どもを育てながら働くママも、海外に赴任する時代になってきた。
日産自動車の小林千恵さん(47)は同社で初めて子どもを連れて海外に出たママ社員。2005年に当時7歳と1歳の子ども2人を連れてブラジルに赴任した。日本語が分かる日系人ベビーシッターを人づてで見つけ、自腹で月額5万円の日系人ドライバーを雇った。
現地ではマネジャーとして事業計画と商品企画を担当。時差がある日本との電話会議が深夜になるなど体力的にはきつかったが、「本社、工場、販売現場をすべて見ることができ、得がたい経験になった」と話す。
小林さんは現在、人材の多様化を推進するダイバーシティディベロップメントオフィスの室長だ。社内の研修では「工夫次第でやりたい仕事ができる環境はつくれる」と参加した女性社員に語りかける。小林さんの赴任から10年。同社で海外駐在するワーキングマザーは10人誕生した。
「『途上国は危ない』『子供がいるから』などと海外を諦めてしまうのはもったいない」。国際交流基金で日本語教育や文化交流を担当する後藤愛さん(35)は話す。
自身は12年から当時1歳の長男を連れてインドネシアに駐在。信頼できるベビーシッターが5人目でようやく見つかるなどの苦労もあったが、「助けを得れば、むしろ日本より働きやすい」と今は実感している。
小さな子がいるママ社員は海外赴任の対象外。そんな企業の考え方は急速に変わりつつある。
日産で女性活用の推進を担当する
小林さん(横浜市)
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どうです?
このように、第三者のサービスを安く上手に使えたら、かなりいいですよね!
デビ夫人のようなお金持ちだけでなく、僕ら一般人が、日常を普通に生活していくための選択肢として、上手にサービスを活用して、それが贅沢とかではなく、精神的な生活の豊かさにつながるようになればいーですよね!
そんな日本にしましょうよ。
家事代行サービス補助金制度、というのはどうですか?
安倍首相。
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