「保育園落ちた日本死ね」で、改めて待機児童問題が浮き彫りになってしまった現状、何が問題になっているでしょう?
早速、確認してみましょう。
日経です。
保育所増設に遅れ 増員計画
達成半分の自治体も
都市部を中心に保育所開設の遅れが相次いでいる。物件の確保が難しいほか、子供たちの声を気にする周辺住民の反対もあり、4月の開設予定を延期するケースが多い。東京都世田谷区は保育所の定員増が計画の6割、目黒区は半数にとどまる見通し。政府は2017年度末までに待機児童をゼロにする目標を掲げているが、こうした状況が続けば達成の妨げになりそうだ。
待機児童が全国で最も多い世田谷区は4月に開設を予定していた認可保育所約20カ所のうち、6カ所で延期した。子供たちの声に加え、子供を送迎する自転車が増えることで交通事故の増加を懸念する近隣住民の反対で調整に時間がかかっている。
区などは防音壁の設置といった対策を説明しているが、合意のメドが立たないところもある。保育所を計画通りに整備できない結果、4月までに2082人増やす予定だった定員は1250人増にとどまる見込みだ。
東京都目黒区は予定していた認可保育所6カ所の新設が2カ所にとどまる。事業者を募ったが、保育所を設ける賃貸物件を確保できず、応募が少なかったという。同区では4月の定員増が199人と、計画の48%になりそうだ。
新たに認可保育所16カ所を設ける予定だった大阪市の場合、開設が決まったのは10カ所だった。整備が進まない中心部で認可保育所の事業者に家賃補助を始めたにもかかわらず、想定通りに進まなかった。定員増は計画の70%の1187人にとどまる。
保育所開設の遅れはここにきて一段と顕著になっている。横浜市は新設予定だった認可保育所24カ所のうち、7カ所の開設を見送った。昨年4月は増員を計画通りに達成できたが、「物件の確保がだんだん難しくなってきており、今年は達成が厳しい状況だ」(こども施設整備課)。
名古屋市は認可保育所18カ所の新設計画を達成できる見込み。ただ、今後は「住民の都心回帰で保育需要が高まっている市中心部は、広さなどの要件を満たす物件が少なく開設が難しい」(保育企画室)。
認可保育所は0〜1歳児1人当たり3.3平方メートルの面積を確保する必要があるなど、国の基準を満たさなければならない。しかし、都市部では基準をクリアする土地や賃貸物件が少ない。都市部で地価や不動産賃料が上昇していることも物件確保を難しくしている。
如何ですか?
社会的環境、外部要因の影響で、保育所の増設が上手くいっていないようですね 。。
で、この影響がそのまま、私達、消費者に影響してしまっております。
引き続き、日経です。
保育所選考漏れ7%増
首都圏主要区市16年度 施設拡充追いつかず
首都圏の待機児童数が2016年度も高止まりしそうだ。16年4月の保育所への入所者を決める選考で、希望する施設から漏れた子供の数は1都3県の特別区と政令指定都市で15年4月に比べ7%増の2万2000人弱に上った。各自治体は施設の拡充を急いでいるが、子育て世代の流入や就労希望女性の増加を背景に対応が追い付かない状態だ。
各地で保育所の整備が進むが……
(新宿区が4月に開業する認可保育所)
4月の保育所入所の選考は昨秋から順次進んでいる。多くの自治体では保護者から複数の希望先を募り、定員を超す申し込みがあった施設では各世帯の就労状況や収入などの条件を勘案した上で入所者を決める。
この1次選考で入所が決まらなかった子供の数について、日本経済新聞が東京23区と5政令市に聞き取り調査した。非公表などの自治体を除き、前年と比較可能な17区市の結果を集計したところ、合計数は2万2000人弱に達した。
1次選考に漏れても、自治体が定員に空きがある認可保育所や認可外保育所を紹介し、再選考に進むケースも多い。このため、1次選考で入所が決まらなかった子供がそのまま待機児童になるわけではないが、保育の需給ギャップが依然として大きい実態が浮き彫りになった。
さいたま市は2月上旬、選考結果を保護者に通知。希望の保育所に入れない「不承諾」は前年比2%増の2122人だった。保育所の整備を進めて定員を増やしたが、申込者数も14%増の7044人と伸び、選外が増えた。東京都練馬区の申込者数は定員を約1100人上回り、前年より約300人増えた。
各自治体は1次選考で漏れた子供が待機児童にならないように、再選考でのマッチングに力を入れる。千葉市の場合、2月時点の不承諾者は前年より203人増えて874人。市は3年連続の待機児童ゼロを目指し、職員が選外になった保護者に通勤経路上の認可外保育所を電話で紹介するなど対応を急ぐ。
相模原市は不承諾が870人。前年より36人減ったが、地域ごとに認可外保育所や幼稚園を紹介する「保育アテンダント」を配置するなど、今後も各家庭のニーズにきめ細かく応えていく考えだ。
川崎市は1月末時点で選考漏れが約1割増の3007人だった。1次選考で入所が決まっても、その後の転居などでキャンセルが出るケースもあるため、現在は再選考による調整を進めている。昨年は1月末時点で2736人が選外だったが、4月には待機児童ゼロを達成した。
どうです?
保育所が増設できない。。しかし、入所希望者はどんどん増えてくる。。。
ここ数年、ずっとこの繰り返しになっているような気がしませんか?
つまりは、公表されている数字以上に子供を預けられるならば、働きたい、という潜在的待機児童の人達が沢山いる、ということを表しております。
女性活躍で、世の中の動きに応じて、育児と仕事を両立しようとしてくれているママさん達が沢山いらっしゃるのに、それがなかなか出来ない。。
その声が、そのままこの死ね!という言葉に反映されてしまってるのだと思います。
このことを、日経で代弁しているコラムがありますのでご紹介します。
こちらです。
匿名ブログ「保育園落ちた」 産み育て働く女性の嘆き
詩人・社会学者 水無田気流
匿名ブログに書かれた「保育園落ちた日本死ね」が反響を呼んでいる。この文章は公式なものでなく、保育所不足に対しひたすら個人的な怒りを綴ったもの。だがそれゆえ多くの人たちの感情に訴えた。2月29日には山尾志桜里民主党議員から安倍総理に本件に関し質問があり、総理は書き手が匿名であるため、「実際に本当におこっているのか、我々は確認のしようがない」、もちろん待機児童がいると認識しており、政府は保育所を増設していると答えた。
安倍総理の回答は、次の2点の問題が指摘できる。第一は、保育所不足を訴える声は政府の対応不足の証左だが、それに対し「いや対応している」と言い切るのは、結果的に国民の切実なニーズを事実上圧殺する意思を示してしまっている点だ。きっかけは匿名ブログでも、待機児童問題が深刻なのは各種統計調査に鑑みれば明らか。たとえば都内では2016年度で6区の入所倍率が2倍を超える。15年4月時点の待機児童数は約2万3千人だが、厚生労働省の調査では潜在的待機児童数は85万人に上る。この数値の背景には、多くの保護者、とりわけ女性たちが就業継続を断念するなどの選択を余儀なくされているという事実がある。安倍総理は国民の生活実態に即して正しく認識しているのだろうか。
第二は、ブログに書かれた「子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに日本は何が不満なんだ?」が端的に示す。今この国で子どもを産み育て働こうという女性は、まさに安倍総理が掲げる「一億総活躍社会」の中軸を担う存在であるはずだ。「アベノミクス新・三本の矢」が目指す国内総生産(GDP)向上や人口規模維持のためには、待機児童問題の解消は焦眉の急のはずである。シカゴ大学の山口一男教授によれば、経済協力開発機構(OECD)諸国では1990年代以降女性の労働参加率が高まるほど出生率も高くなる。日本でも育休を取得できる女性は専業主婦と同程度かそれ以上に出生率が高い。育児に関する制度や施設の不足解消は、安倍政権の政策目標達成のためにも必須のはずだが、当人がその必要に対する認識が甘いとは、極めて残念な話である。
これは、僕も読んで心がグサッとなってしまいました。。
日本のママさん、女性達は本当に過酷な状況だぞ。と。
これでは女性は、子供を産んで幸せと思えなくなってしまうし、産みたいと思えない、迷ってしまう。。。
この現実を僕ら男性が、もっと真剣に受け止め、女性に対して出来る限りのサポートを、もっともっと実施していかねばなりません。
男が本気で、昔から・・とか、伝統・・とか、日本は・・とか、そういうのを完全に取っ払って、真面目に、大きく大胆に変わらないとならない時が来ました。
日本人がみんなで理解し、みんなで同じ課題を乗り越える時です。
他人事ではダメです。
個人のネット発言が政府をも動かしてしまう、ある意味凄い時代ですから。
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