待機児童問題がなかなか解消出来ない中で、どうやって保育所、保育士を増やすか。。
ということに世間が知恵を絞っている状況ではございますが、自治体によっては、増やすことに反対しているところもあります。
こんな状況下で増やすことに反対する!?って、いったいどういうことなんでしょうか。
早速、確認してみましょう。
日経です。
保育施設、どこまで増やす 自治体の子育て支援
本社など調査 少子化と就労希望増、需要予測難しく
日本経済新聞社と日経BP社の共働き子育て家庭向け情報サイト「日経DUAL」は「子育て支援制度に関する調査」を実施した。待機児童対策は急務だが、自治体が今後の保育需要の予測に難しさを感じていることがわかった。少子化が進む一方、就労を希望する親が増加することなどが要因。財源が限られるなか、保育施設をどこまで増やすのか難しい判断を迫られている。
「マンション開発で若い夫婦の転入が増えていたが、出生数は減りつつある。保育所を新設すると将来の重荷になりかねない」と語るのは東京都東大和市の尾崎保夫市長。需要増には既存施設の増床などで対応する考えだ。ただ、足元で利用希望者は想定を上回り、国が目標とする2017年度末の待機児童ゼロ達成は難しいとみている。
将来の少子化は明らかなのに、需要が増大することに自治体は困惑している。今後の保育需要のピークを聞いたところ、17年度が20%と最多だったが、19年度以降とする回答も計24%あり、想定を見直す動きもある。
調査やり直し
北九州市は来年4月までに認可保育所2カ所、小規模保育所9カ所を整備する。未就学児はここ10年間減少し、11年4月からは待機児童ゼロ。それでも保育所を作り続けているのは、希望者が想定外のペースで増え続けているためだ。
「理由は詳しくは分析できていないが、子どもを預けて働きたい人が増えている実感がある」とし、15年度がピークと想定していた保育需要に関する調査を今、やり直しているところだ。
東京都品川区は17年度末に待機児童ゼロの達成が難しい理由を「保育所を整備することで、さらなる保育需要を喚起するため」と説明する。未就学児は10年前と比べて4割増。当初、保育需要は19年度をピークに減っていくと予想していたが、「ピークはもう少し後になりそう」(浜野健区長)とみている。
千葉県浦安市も保育所を増設することで隣接地域からの住民の流入や、子どもを預けて働き始めるといった新たな保育需要を掘り起こすと指摘。「需要の正確な把握は難しい」としている。
現在、子育てに追われる40歳すぎの女性は、その前後の世代に比べると人口が比較的多い。一方、20歳前後の女性人口はそれより4割少なく、今後、未就学児が減ることはあきらかだ。
積極派は2割強
調査で今後の認可保育所増設に対する考え方を聞いたところ、「ニーズに合わせて増設」という積極派は2割強。8割近くは「他の手法も検討」「増設は抑制」などを選択し、理由として半数が「未就学児の減少が予想される」を挙げた。
保育学が専門の塩谷香・国学院大特任教授はこうした自治体の対応について「保育所を作ると新たに需要が掘り起こされるとよく言われるが、そうではなく、そもそも需要があるということ」と指摘。「子どもにかける日本の予算は先進諸国と比べて低い」とし、現在の制度や予算規模のままでは保育所を増やし続けるのは難しいとの認識を示す。
「(負担する保育所の運営費は)今年度で300億円。20年度には444億円と莫大な金額になる」。東京都世田谷区の保坂展人区長は都が開いた11月22日の緊急対策会議で声を張り上げた。3千億円規模の区の予算の1割を占める。15年度の認可保育所の運営費の内訳は利用者が払う保育料が16%。国と都が16%で、区が7割を負担した。
大都市圏を中心に今後は団塊の世代の高齢化で医療・介護の費用が増大する。「歳入の増加が見込めないなか、認可保育所の整備を今後も継続できるのか懸念がある」(東京都府中市)といった声は各地から聞かれた。
いかがですか?
確かに、地域によっては、無理に増やしても、近い将来、利用者が減少することが目に見えているならば、積極的に増やす動きに待った、がかかってしまいますのは、わかりますよね。。
特に、7割も区が運営費を負担しているならば、尚更、消極的になるでしょう。。
また、増やさない理由として、いまだに民間参入を認めていない自治体もあるようてすね。。
引き続き、日経です。
認可保育所への株式会社参入 「すべて認めている」3割
認可保育所の設置主体はかつて自治体か社会福祉法人という非営利団体に限られた。国は2000年に制限を撤廃。株式会社(企業)の機動力で待機児童解消へつなげようと、自治体へ通知を出し参入を認めるよう促している。しかし、認可保育所の新設や、公立の認可保育所を民間に移管・委託する場合の企業参入を「すべての事例で認めている」と答えた自治体は3割にとどまった。
参入を「認めていない」のは16%(24市)。このうち東京都東大和市は新たに保育所を増やさない方針のため、今後も企業参入を認める予定はないという。奈良市は社会福祉法人に限っている理由を「保育の質を担保するため」と説明する。
「認めているが除外している事例もある」という回答も21%あった。公立保育所の民間移管などで制限するところが多かった。埼玉県草加市は「認可保育所の新規開設の場合、保育所を3年以上経営している事業者としている」と回答した。
15年から企業参入を認めた千葉県船橋市は「土地確保のノウハウがあり、意思決定が早く、整備がはかどる」と説明。効果を上げているようだが、「企業参入には既存の社会福祉法人からの反発も大きい」(関西の市)との声もあった。
どうです?
こういうところは、日本文化独特の負の嫌な面ですよね。。
このことは、かなり前から、僕は民間にも解放しないと。。と訴えてきてますが、やはり、昔からの権益の壁がなど大きく邪魔をしますね。。
一方で、マイナスなお話しだけではなく、保育士不足の原因として、処遇改善が言われておりますが、新たに厚労省が国として、保育士の役職を新設して待遇改善につなげようとするようですよ。
引き続き、日経です。
保育士賃上げへ副主任級ポスト 厚労省が新設検討
厚生労働省が検討している私立で働く保育士向けの昇給制度の大枠が固まった。来年4月から中堅保育士向けに副主任級の役職を新設し、月給を4万円程度上乗せする。若手保育士向けには乳児保育や食育といった職務分野別のリーダー職を新たに設ける。保育士の処遇改善には1千億円程度の財源が必要で、厚労省は年末までに財務省と調整を進める。
これまで保育所には園長と主任のほかに役職がない場合が多く、勤続年数11年以上になると給与が上がりにくかった。そこで厚労省は中堅の給与を上げるため、マネジメントを担当する副主任保育士と専門知識をもつ専門リーダーを新設。3万4千〜4万円を月給に上乗せする。
役職に就くには勤務経験に加えて研修の修了が必要になる。
若手向けのリーダー職は勤務経験3年以上で一定の研修を終えた保育士を想定している。月給で5千〜1万円を加算する。生活設計がしやすいよう予算は基本給増に配分する。厚労省は標準である定員90人の保育所の場合、1施設あたり副主任級の保育士を2〜6人、職務別リーダーを3〜7人程度置くことを想定。役職には一定の経験年数を重ねた保育士を充てる方針だ。
なるほどですね。
保育所は、企業のような中間職がなく、処遇が上がっていく仕組みの役職がないのが現実なのですね。。
中間に目標がないと、やり続けるモチベーションを維持するのは難しいですから、このルールは良いですね。
で、保育所、保育士は運営側のお話しですが、保育所を利用する、児童を預ける親の消費者側、利用料にも地域によって格差があるようですね。
確認してみましょう。
最後も日経です。
自治体間の保育料格差 3歳未満で1.2〜6.1万円
世帯の所得に応じて自治体が決める認可保育所の保育料。三大都市圏の主要市区と全国の政令指定都市、県庁所在市の162市区を対象に実施した「子育て支援制度に関する調査」で自治体間の格差が浮き彫りになった。
子ども1人の上限額を聞いたところ、月額保育料は3歳未満で9万3600〜3万8500円と、最大2.4倍の地域差があった。3歳では2.5倍、4歳以上は3.0倍だった。
夫婦の世帯年収700万円程度、子ども1人の想定で保育料を聞いたところ、3歳未満の平均は約4万6千円。最高額は兵庫県伊丹市と川西市の6万1千円、最低が東京都渋谷区の1万2400円で、その差は4.9倍に達した。東京都は6市区が3万円未満など、安価な保育料の18位までを独占している。
他の年齢帯では岐阜県大垣市や那覇市などが安価な程度。地域差は3歳では5.5倍、4歳以上では5.8倍とさらに拡大する。東京の多くの自治体は認可保育所に入ることができれば、安価な保育料を享受できる。
東京とこれだけの料金の差があれば、地方創生といっても、これは東京に移住されてしまいますよね。。
色々と難しいですね。。
こうして見てみると、自治体任せの比率を減らし、国が予算面でもっと介入支援し、民間比率を高める、ということが、やはり必要だと思ってしまいます。
皆さんは、思いますか??・・
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