8月9日から天気が崩れ、12日から激しい雨となり14日からは島田川の水位も上がって高齢者避難指示が出されました。
避難勧告等に関するガイドラインの改定により、高齢者の避難は警戒レベル3で行うように勧められています。そのガイドラインに従って、ひだまりの家に緊急時における避難方法についても改定し、警戒レベル3が発令された時点で近くにある避難場所に指定された三井小学校に避難するよう光市役所にも提出しています。
改定されて今回が初めての警戒レベル3でした。実際には避難するか否か非常に微妙なところだったのですが、何よりも行動する事で見えてくる事もあると判断し、避難を決定しました。
そこで注意したのが以下の点でした。
@受け入れ側と早めに協議し、施設利用者に対する他の避難者との隔離(コロナ対応)とプライバシーの確保が可能か?
A避難するにあたって備品リストを作成しているが、実際にどこまで必要で代用のきくものがあるか?
B避難する前にするべき避難先での受け入れ準備、避難経路や避難誘導する人員にどのような問題が生じるか?
Cバリヤフリーの施設介護しかしていない職員があちこちに段差があり経路も複雑な学校内で利用者を安全に誘導できる技術があるか?
D忘れ物などがあった場合に創意工夫でケアをする事ができるか?
E避難先での特殊な状況下で利用者のメンタルや健康管理を行うにあたり、通常の夜勤体制で十分なのか?
F撤収する体制まで人員体制を整え、非日常から日常へのシフトは可能か?
G避難指示が発令されてから避難開始の決定、利用者家族への相談・報告などのプロセスは適切か?
以上の8点です。
@については市の担当者の方も親身になって対応して下さり、本当にスムーズに打ち合わせが出来ました。
Aについては備品リストをもう一度見直さないといけないと痛感しました。
B避難経路は問題ないのですが、人員については事前準備・誘導においてもどんな状況でも対応できるベテラン職員じゃないと状況判断が難しいという事がわかりました。
Cこちらについても経験の浅い職員では難しく常日頃からの訓練が必要だとわかりました。
Dこれもベテラン職員がいろいろな物で代用するなどキャリアの違いを感じました。
Eほろんどの利用者は落ち着いて避難して下さいましたが、数名は帰宅願望や不眠のために大声を出されたり徘徊しようとされるなど混乱が見られ、落ち着かれるまでに職員が残って対応しました。またエアコンが無いため湿度が高くまた室温も高い状況にありました。網戸が無いので窓を開けるわけにもいかず体温調整にアイスノンを使用しますが数量に限りがあるため大きな課題でした。幸い、発熱などはありませんでしたが体力に応じて横になって頂くなどの指示はベテラン職員が居てくれたので何とかなりました。非常時に応じた夜勤者の人選も必要だと感じました。
Fについては翌日の人員体制まで考えていなかったため、少人数での撤収となりさすがに大変でした。経験の浅い職員では臨機応変の動きが出来ず、また大きな車両を運転することも出来ない事から出来る職員への負担は大きくなりました。
Gについては避難の検討段階からご家族やケアマネージャーさんにLINEを利用して相談や報告を行いました。私自身が誘導で走り回っていたため、避難の完了や撤収の完了については報告が遅れましたが、それ以外については適切だったと思います。また、ご家族様からの感謝の言葉や激励の言葉に涙が出そうでした。これらをまとめて職員にも閲覧させ感動を共有したいと思います。あえて反省点と言えばLINE登録されていないご家族様には今回の情報を提供する事が出来ずまた電話連絡も出来ませんでした。バタバタしている中での連絡は不可能なため、今後のためにもLINEやメールなどの登録をしてもらうように勧めていきたいと思います。
大変ではありましたがこのような事は実際に物事が起きてからじゃないと分からない事が多く、今回の経験を糧とし、しっかりと検証して今後に生かしていきたいと思います。

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