大阪、西天満にあるギャラリーです。
1969年の創業以来、現代美術の作品と西洋アンティークを中心とした骨董を扱っています。
ジャンルにとらわれない様々な美術品をご紹介しています。

2017/7/29  16:47

田嶋悦子 作品紹介  作家紹介

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芸術の始まりは自然の模倣にありました。
移ろい行く風景、花や動物は命が宿る生死があり変わりゆく存在でした。
それを美しいと思い手に入れたい、失う事のない変わらない姿にする為に人々は粘土でかたどったり壁に絵を描いたりする事で、それら自然を模倣し永遠の姿として変換させてきました。美しいと感じるものを人工的にその形を「記録する」という発明が芸術の始まりとされています。
難しい書き方になってしまいましたが、お花は綺麗だけど枯れてしまうから絵にする事で、その美しさをずっと楽しみたいという気持ちから芸術は生まれたという感じです。

本日ご紹介する作品はこちら田嶋悦子さんの「Cornucopia 06-II」です。
陶とガラスの組み合わせて作られた作品はその軽やかでかスマートな外見からは想像がつかない程にずっしりと重量があり少しの事では動かない安定感があります。
緑色の半透明のガラスとマットで白い陶の部分のコントラストと、時間が止まってしまったかのような有機的なフォルムは、植物の命の痕跡を克明に記録するためで今おきている出来事の一瞬を描写しているかのようです。
また植物という偶然の形のようですが一定の規則によってできているのでその形には必然性があります。ガラスは割れたりしますが溶かして固めてもまた溶かして固めてと無限のサイクルで循環し続けます。そのサイクルの途中で固まり作品となったガラスは変貌し続けるものの暫定的な結果の形状とも言えます。神話的なタイトルから想像されるストーリーは素材とも相まって時間の永遠さを物語っています。そのかたちで止まった時間はまさに今の美を映し出しています。芸術を移ろいゆくものたちを記録するという原点から本日はご紹介しました。
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田嶋先生はあした7月30日まで西宮市立大谷記念美術館で展覧会を開催されています。
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タグ: 田嶋悦子

2017/7/27  17:28

作品紹介 西中千人  ART

蝉の声に、暑さが増していくような気持になる今日この頃。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
私の自宅は目の前に大きな公園がありまして、そこには大きな木がございます。
毎朝騒がしく私を起こしてくれるのは、母の声?小鳥たちの鳴き声?
いえいえ、蝉たちの鳴き声です(^-^;)

いったい、何百匹いるのかと毎朝思いながら目覚めることが日課となっております。
今年は例年にない暑さだそうですから、皆様お身体にはくれぐれもお気をつけくださいませ。

さて、今回ご紹介したい作品は夏にピッタリ!涼しげな印象を受けるガラス作品でございます。
西中千人先生の「金青茶碗」です。

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直径12.5 cm x 高さ5.5 cm

中心からおのおのに伸びていく線たちは自由に揺らめきながら放射線状に広がっていく様子がまるで生き物のように感じさせてくれます。
中心が植物でいう「根本」だとするならば、そこから広がる線は「茎」や「葉」。
線の青さは植物のみずみずしさを、そして線の太さが一本一本異なることで力強く伸びていくような生命力のエネルギーにも見て取ることが出来ます。想像力が膨らみますね!

ガラスの中に散りばめられた金箔は、自由な線とは対照的なきれいな円が描かれています。
対照的な二つのデザインが全体のバランスを引き締めて、ガラス作品の涼しげな印象だけでなく柔らかさも感じられて魅力的です。

またこの写真ですが、普段の常設展では部屋全体を明るくしておりますので
この器の陰に気づくことはありませんでした。
このブログを書かせて頂くにあたって、撮影している折に部屋の照明を落としてみると
不思議な模様が机に映しこまれたのです。
西中千人先生が作品の影までこだわり、考えつくされた作品であることに感動致しました。

ガラス作品は窓辺に飾りますと、その時々の天気で色んな表情を魅せてくれますので大変お薦めでございます。
例えば雨ですとしっとりとした艶感が引き立っているように見えますし、
曇りですと柔らかな光が作品にも反映されているように感じます。
最近のような強い日差しの場合ですと、幾つもの光がガラスを反射して机や壁に影を映しこみ、大変味わい深いものです。

皆様もご自宅でガラス作品がございましたら、ぜひ窓辺へ。
毎日の忙しく、または代わり映えのない生活に少しのアートを取り入れてみませんか?
小さなアートが心のゆとりを持たせてくれますよ

ぜひお試しくださいませ!

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2017/7/25  17:43

銅版画のご案内と作品紹介 集治千晶さん  作家紹介

銅版画のご案内と作品紹介 集治千晶さん

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絵画をお探しの皆様、アートコレクション最初の一枚には銅版画がオススメです。
いきなり銅版画と言われても、技法の専門な知識や大規模な設備がな必要な事から、学校の美術の授業でやったような木版画よりも難しく一般の人は中々なじみのないものかもしれません。でも実際の作品を見てもらえれば絵の具とは違った独特の風合いが面白いそんな表現方法だとわかって頂けると思います。本日は銅版画のオススメポイントを紹介致します。
 まずいくつも同じ作品ができる事で一点ものという意味合いでは、普通の絵画作品より希少さはなくなってしてしまいますが、プリンター等機械での印刷物とは違い紙の上にのっているインクは絵の具と同じ原料が使われていて、油絵と同じように肉眼で見たときの絵画特有の高級感は変わりません。
さらに色合いが落ち着いたものが多く主張が強くなりすぎないのでどんな部屋に飾るにも向いていて、飾りやすく一点飾るだけでも空間の雰囲気が変わり楽しめます。
逆に一度に多く作られる事で有名作家のものでも比較的リーズナブルに購入でき、若手作家から巨匠まで小さい作品でも非常にたくさんのバリエーションが揃っていてお気に入りの作品が選べるというのが大きな魅力です。
また制作には多くの時間と労力を使います。それゆえ丁寧に作られている作品は文字通りに魂を削って作られているので、制作者の息づかいまで感じられる作品が多いです。
印刷物とは違う絵画として本物の風格を持ちながら、お手頃価格でどんなお部屋にも飾りやすいと、簡単ではありますが見る人にもお得がいっぱいの銅版画の説明でした。

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ということで今回の作品紹介は銅版画の中でも色鮮やかな独特の世界を表現されている、集治千晶先生の作品ご紹介させて頂きます。
まず作品を見た時とびこんでくるのは、版画とは思えないほど鮮やかでカラフルな色面です。そしてながれるような線を目線で辿って行くと、全体の構成の意図がありリズムを感じます。花や生き物のようなモチーフが物語の中心にあり色や線がそれを響かせています。
集治さんはエッチング、アクアチント、ドライポイントなど様々な方法を駆使しています。おなじ銅版画のなかでもいくつものワザを習得するのは難しくそれを一枚にまとめるのは難しくそれをいとも簡単に自然に使いこなしているのは、理屈ではなく研ぎすまされた感覚や、内面にある独特の世界観の表現に繋がっていると思います。

作品のよしあしは、みる人が好きな作品かどうかで決まると思います。
そしてその好きを決めるポイントの1つに共感できるイメージにあります。自分の日々思っている事、理想、美しいと思う物は人それぞれです。そんなものを持ちながらも自分が気づかないうちに見過ごしていたものが、ふと観た作品の中に見つける事ができたら運命的なものを感じます。そんな感覚にビビっと当てはまるイメージが見つかる作品に身近に感じ共感できると思います。集治さんは素直な感じるまま作られた、取り繕ったりしない嘘のない作品に共感しとても好感が持てる作品たちでした。クリックすると元のサイズで表示します
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2017/7/24  17:17

作品紹介 ベネット・ビーン  ART

いよいよ夏休みが始まりにぎやかな声が響いております
また、本日から二日間天神祭りがございます。より一層のにぎやかになることに、私も期待で胸を膨らませております!
山木美術は通りに面しているため、獅子舞がギャラリーの中に入って舞を踊って頂くことが出来ました。
本当に獅子が踊っているかのようなしなやかな舞や、笛と鈴の音色にとても感動致しました
お祭りや花火大会はこれからですので、私も体調管理に気をつけながら夏を楽しんで参りたいと思います!
皆様もくれぐれもお身体ご自愛くださいませ(^o^)

さて本日、ご紹介させて頂きたい作品はとてもユニークな形の陶器作品でございます。
ボウルのような丸みに抽象的なデザインの外観と金箔をふんだんに使用された内部が強く印象に残る作家、
ベネット・ビーンの「GOLD BOWL」についてご紹介したいと思います。
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高さ 12 cm

ベネット・ビーンは、1941年にオハイオ州シンシナティで生まれました。
出生時に父親が軍隊の医師だったことから、ビーンはアイオワ州アイオワ市で育ちました。
彼はアイオワ州グリンネル大学に通っていましたが、美術を学ぶためにアイオワ州立大学に移り、デッサンと絵画の両方を学びました。
在学中、彼はある陶芸学部の教授の技法に魅了され陶芸に興味を持ちました。
1963年にアイオワ州芸術学士号を取得したあと、クレアモント大学院で美術の研究を続けるためにカリフォルニアに移住しました。
大学院ではポール・ソルナーのもとで陶芸を学び、1966年に芸術学修士号を取得した以降、
1979年まではニューヨーク州スタテン島のワーグナー・カレッジで陶芸を教える立場を任せられるようになりました。
1979年以降はニュージャージー州のブレアストンに自身の工房を構えて、作陶を続けているそうです。

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ビーンは1982年以降から、アクリル塗料だけでなく様々な艶出し剤を用いて、
その外観に抽象的なデザインを表現していきました。
また、ボウルの内部には24カラットもの金箔を塗布するという大胆な作品が大きな反響を呼びました。

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この丸みを手に取った時の心地よさが皆様に伝わりましたでしょうか?

両手で持ち上げたときにひんやりと感じる陶器の気持ちよさと
手の内で回して見ては、その変容していく抽象的な外観に夢中になります!
なんといってもこの丸みは両手に収まるサイズですので、
どこかホッと感じさせてくれる不思議な作品でございます。

ぜひ、この心地よさを直にお手に触れてご覧頂けたらと思います
皆様のご来廊を心よりお持ちしております。
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2017/7/21  16:34

作品紹介 坪田政彦  作家紹介

作品紹介 坪田政彦
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私事ながら先日、今話題のVRなるものを体験してきました。VRとは日本語で仮想現実と言いメガネ型の機械をつけてコンピュータで作られた空想の世界を疑似体験できるというものです。自分の動きに対応して目の前にあるモニターの映像が動き、あたかもその場所にいるかのような臨場感でした。人は多くの外部情報を見る事から得ていると言われています。そのため視覚の体験だけでこれほどの迫力があったという事は納得です。昨今テレビやスマホ、インターネットなどから多くの情報を液晶画面から得られるようになって、ますます見るという事が人々の生活で重要で欠かせないものとなっています。反面テレビやスマホとは違って動かない映像である絵画は、今の時代には少し退屈に感じてしまうかもしれません。

 前置きが長くなってしまいましたがご紹介する作品は坪田政彦先生の「玄・描−B」「玄・描−L」です。この作品はシルクスクリーンとリトグラフという版画の技法を織り交ぜて使った作品です。坪田先生の作品は四角形や点で構成されていて、色も今作はモノクロですが、他の作品も白、黒、赤、青をつかったシンプルな画面構成のものが多いです。しかしシンプルだからこそ作品を眺めているとたくさんの発見があるように思います。白い紙におとされた黒色の一色は時に冷たい影の様であったり、無機的な四角形という形の中にある手の跡である優しい輪郭が見えたりと、毎日眺めていてもその時々で全く違った見え方がある時があります。

 絵画は見る人の心情を映し出す鏡のようなものと言われる事があります。ものごとが忙しく移ろいゆく時代で坪田先生の作品はただ静かに存在し、揺れ動く見る側の人々は作品から日々違った印象を与えます。色んな外の世界を見る事も大切ですが、自分の内面にある何かが見えるような気がする。それが絵画の良い所だと思います。本日は変わらない形のもつ不思議な力の作品の紹介でした。

 坪田政彦先生は8月22日まで韓国の大韓航空ビル1階の宇一スペースで大規模な個展を開催中です。

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「玄・描−B」 57 x 70.5cm

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「玄・描−L」 65.5 x 50.5cm


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