大阪、西天満にあるギャラリーです。
1969年の創業以来、現代美術の作品と西洋アンティークを中心とした骨董を扱っています。
ジャンルにとらわれない様々な美術品をご紹介しています。

2017/8/5  16:40

作品紹介 内田鋼一  作家紹介

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内田鋼一 プラチナ彩面取茶碗

夏バテにはあつ〜いお茶が良いそうです。冷たい飲み物は胃が冷えてパフォーマンスの質が低下するみたいで、あったかい飲み物を少量ずつ飲んでいくと内臓には優しいみたいです。また飲み過ぎはカフェインの影響が良くないので、冷たい物と適度な塩分もとるようにして下さい。
お茶を飲むという文化は、ちょっとした憩いの時間、コミュニケーションの空間として世界各国様々なスタイルで定着しています。そんな中日本のお茶文化はひと味違って、休憩というより「お茶を飲む」という事をしているような…詳しくは勉強不足なのですが….
よけいな事をしないでただただ集中してお茶を飲むための器である、茶器のご紹介です。おきにいりのイイウツワで優雅なティータイムにいかがでしょうか?

内田鋼一先生は若い頃から世界中の国々を旅し多くの文化を肌で感じ自身の作品に取り入れてきました。やきものは国や文化で採れる材料や環境条件の違いによりにより形や色、質感、使い方が様々です。ただ土を焼いて器を作るという事は偶然なのか必然なのか分かりませんが、多くの国や地域で行われているという所も陶芸の面白いと事だと思います。器からはその土地の料理から食文化、家族の形、おもてなし等多くの要因が込められているのでその地域の事を勉強するのにも役立つのではないかとも思っています。
そんな経験豊かな手から創り出される作品はとても幅広くその全ての作品にパワーが詰まっていて、なによりカッコイイです。それはただキレイな形というだけではなく、作品の表面から素材の重みを感じる事が出来る所です。
今都会で生活していて触れるものほとんどが規格化され均一で無表情です。内田先生の器のその硬い金属のような表面は無機質に建ち並ぶビルのようであり、また自然の流れに身を任せたような曲線や重心、その豊かな表情が光り輝く釉薬から映し出されています。見る目から受け取るかたさと、とった手で感じる自然な丸みの組み合わせは丁度いい心地よさになります。
目で見るだけでなく実際手に取ってみる事で、手の仕事を感じられるのが器の良い所だと思います。他にも良い陶芸作品がございますのでこれからも更新していきます。
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2017/7/29  16:47

田嶋悦子 作品紹介  作家紹介

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芸術の始まりは自然の模倣にありました。
移ろい行く風景、花や動物は命が宿る生死があり変わりゆく存在でした。
それを美しいと思い手に入れたい、失う事のない変わらない姿にする為に人々は粘土でかたどったり壁に絵を描いたりする事で、それら自然を模倣し永遠の姿として変換させてきました。美しいと感じるものを人工的にその形を「記録する」という発明が芸術の始まりとされています。
難しい書き方になってしまいましたが、お花は綺麗だけど枯れてしまうから絵にする事で、その美しさをずっと楽しみたいという気持ちから芸術は生まれたという感じです。

本日ご紹介する作品はこちら田嶋悦子さんの「Cornucopia 06-II」です。
陶とガラスの組み合わせて作られた作品はその軽やかでかスマートな外見からは想像がつかない程にずっしりと重量があり少しの事では動かない安定感があります。
緑色の半透明のガラスとマットで白い陶の部分のコントラストと、時間が止まってしまったかのような有機的なフォルムは、植物の命の痕跡を克明に記録するためで今おきている出来事の一瞬を描写しているかのようです。
また植物という偶然の形のようですが一定の規則によってできているのでその形には必然性があります。ガラスは割れたりしますが溶かして固めてもまた溶かして固めてと無限のサイクルで循環し続けます。そのサイクルの途中で固まり作品となったガラスは変貌し続けるものの暫定的な結果の形状とも言えます。神話的なタイトルから想像されるストーリーは素材とも相まって時間の永遠さを物語っています。そのかたちで止まった時間はまさに今の美を映し出しています。芸術を移ろいゆくものたちを記録するという原点から本日はご紹介しました。
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田嶋先生はあした7月30日まで西宮市立大谷記念美術館で展覧会を開催されています。
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タグ: 田嶋悦子

2017/7/25  17:43

銅版画のご案内と作品紹介 集治千晶さん  作家紹介

銅版画のご案内と作品紹介 集治千晶さん

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絵画をお探しの皆様、アートコレクション最初の一枚には銅版画がオススメです。
いきなり銅版画と言われても、技法の専門な知識や大規模な設備がな必要な事から、学校の美術の授業でやったような木版画よりも難しく一般の人は中々なじみのないものかもしれません。でも実際の作品を見てもらえれば絵の具とは違った独特の風合いが面白いそんな表現方法だとわかって頂けると思います。本日は銅版画のオススメポイントを紹介致します。
 まずいくつも同じ作品ができる事で一点ものという意味合いでは、普通の絵画作品より希少さはなくなってしてしまいますが、プリンター等機械での印刷物とは違い紙の上にのっているインクは絵の具と同じ原料が使われていて、油絵と同じように肉眼で見たときの絵画特有の高級感は変わりません。
さらに色合いが落ち着いたものが多く主張が強くなりすぎないのでどんな部屋に飾るにも向いていて、飾りやすく一点飾るだけでも空間の雰囲気が変わり楽しめます。
逆に一度に多く作られる事で有名作家のものでも比較的リーズナブルに購入でき、若手作家から巨匠まで小さい作品でも非常にたくさんのバリエーションが揃っていてお気に入りの作品が選べるというのが大きな魅力です。
また制作には多くの時間と労力を使います。それゆえ丁寧に作られている作品は文字通りに魂を削って作られているので、制作者の息づかいまで感じられる作品が多いです。
印刷物とは違う絵画として本物の風格を持ちながら、お手頃価格でどんなお部屋にも飾りやすいと、簡単ではありますが見る人にもお得がいっぱいの銅版画の説明でした。

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ということで今回の作品紹介は銅版画の中でも色鮮やかな独特の世界を表現されている、集治千晶先生の作品ご紹介させて頂きます。
まず作品を見た時とびこんでくるのは、版画とは思えないほど鮮やかでカラフルな色面です。そしてながれるような線を目線で辿って行くと、全体の構成の意図がありリズムを感じます。花や生き物のようなモチーフが物語の中心にあり色や線がそれを響かせています。
集治さんはエッチング、アクアチント、ドライポイントなど様々な方法を駆使しています。おなじ銅版画のなかでもいくつものワザを習得するのは難しくそれを一枚にまとめるのは難しくそれをいとも簡単に自然に使いこなしているのは、理屈ではなく研ぎすまされた感覚や、内面にある独特の世界観の表現に繋がっていると思います。

作品のよしあしは、みる人が好きな作品かどうかで決まると思います。
そしてその好きを決めるポイントの1つに共感できるイメージにあります。自分の日々思っている事、理想、美しいと思う物は人それぞれです。そんなものを持ちながらも自分が気づかないうちに見過ごしていたものが、ふと観た作品の中に見つける事ができたら運命的なものを感じます。そんな感覚にビビっと当てはまるイメージが見つかる作品に身近に感じ共感できると思います。集治さんは素直な感じるまま作られた、取り繕ったりしない嘘のない作品に共感しとても好感が持てる作品たちでした。クリックすると元のサイズで表示します
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2017/7/21  16:34

作品紹介 坪田政彦  作家紹介

作品紹介 坪田政彦
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私事ながら先日、今話題のVRなるものを体験してきました。VRとは日本語で仮想現実と言いメガネ型の機械をつけてコンピュータで作られた空想の世界を疑似体験できるというものです。自分の動きに対応して目の前にあるモニターの映像が動き、あたかもその場所にいるかのような臨場感でした。人は多くの外部情報を見る事から得ていると言われています。そのため視覚の体験だけでこれほどの迫力があったという事は納得です。昨今テレビやスマホ、インターネットなどから多くの情報を液晶画面から得られるようになって、ますます見るという事が人々の生活で重要で欠かせないものとなっています。反面テレビやスマホとは違って動かない映像である絵画は、今の時代には少し退屈に感じてしまうかもしれません。

 前置きが長くなってしまいましたがご紹介する作品は坪田政彦先生の「玄・描−B」「玄・描−L」です。この作品はシルクスクリーンとリトグラフという版画の技法を織り交ぜて使った作品です。坪田先生の作品は四角形や点で構成されていて、色も今作はモノクロですが、他の作品も白、黒、赤、青をつかったシンプルな画面構成のものが多いです。しかしシンプルだからこそ作品を眺めているとたくさんの発見があるように思います。白い紙におとされた黒色の一色は時に冷たい影の様であったり、無機的な四角形という形の中にある手の跡である優しい輪郭が見えたりと、毎日眺めていてもその時々で全く違った見え方がある時があります。

 絵画は見る人の心情を映し出す鏡のようなものと言われる事があります。ものごとが忙しく移ろいゆく時代で坪田先生の作品はただ静かに存在し、揺れ動く見る側の人々は作品から日々違った印象を与えます。色んな外の世界を見る事も大切ですが、自分の内面にある何かが見えるような気がする。それが絵画の良い所だと思います。本日は変わらない形のもつ不思議な力の作品の紹介でした。

 坪田政彦先生は8月22日まで韓国の大韓航空ビル1階の宇一スペースで大規模な個展を開催中です。

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「玄・描−B」 57 x 70.5cm

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「玄・描−L」 65.5 x 50.5cm


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2017/7/19  18:15

作品紹介 元永定正   作家紹介

展示作家紹介
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元永定正「あみめのうえにあかみどり」36.5 x 25.5cm 額59 x 47cm
今回は元永定正(1922〜2011)三重県生まれの画家の紹介です。
 芸術家としての活動の始まりは戦後の日本美術を代表する大きな動きである、具体美術協会という団体に参加する事からでした。具体美術協会とは1954年に吉原治良を中心に兵庫県で結成された前衛美術団体で、白髪一雄、田中敦子、金山明ら日本を代表する作家が多く関わり、近年では海外でも高く評価されています。
そこで元永さんは芸術の枠にとらわれない自由な表現に触れ、自身もまた印象的な作品を発表し、注目されるようになりその後多くの素晴らしい作品を残していきました。
 元永さんの作品はイワユル抽象絵画です。何を描いているか分からない、ピカソみたいなといわれる系統の作品です。そこには理解を超えた深層にある感情や、表現しきれない壮大なストーリーがあると思ってしまいます。しかし元永さんは作品について「これは何を描いているのですか?」と訊かれた時「これは絵画を描いています。」と答えたというエピソードがあるそうです。この事は絵画を学んでいた僕にとってはとても衝撃的でした。絵画とは崇高な思想があるものだと思っていました。しかしそういった小難しい考えをいとも容易く吹っ飛ばし、絵画はキャンバスに絵の具が塗られたものと言いながらもそこからは力強いメッセージがあるように感じます。それは自由な発想で、絵画そのものに対して楽しくそして誠実に向き合っているからこその事だと思います。
 只今展示中の作品「あみめのうえにあかみどり」なんとも元永さんらしいタイトルです。この作品は1992年元永さんが70歳の時に作られたシルクスクリーンの作品です。長い経験から生み出された色と形は洗練されながらも、配置や形の大小、線の太さによって絵画の中に奥行きをつくろうとしたり挑戦の後があるように見えます。本日は絵画を最も自由に楽しんだと言える画家、元永定正さんの紹介でした。
山木美術ではただいま常設展示中です。展示作品以外にも元永定正氏のシルクスクリーン作品を数多く取り揃えています。みなさまのご来廊心よりお待ちしております。
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タグ: 元永定正



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