2014/10/20  13:00

夢、根の国より  告白

おかしな夢を見た。

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あたしは北ノ庄でなぜ火の中に身を投じたのだったろうか。

この雪深い地に深い想いがあるわけではない。

権六は誠実な人ではあるけれど、魅かれたことはない。

清洲でのあの日も権六はただそこにいただけだったような。


あの猿は憎かった。兄さまの世を奪おうとしている。

あたしの子は猿のせいで殺された。しかも私の娘を変な目で見ているのは何のつもりか。

見渡してみると、誰も彼もが小粒に見える。

堀はよくやってくれている。ただ、誰につくかわからない危うさがある。

利家は案外と大きな人になるかもしれない。佐々はよくわからない。

丹羽と池田は何もしないままだろう。後世の人は存外、忘れているかもしれない。

徳川は律義者に見える。彼の御仁に限って、まさか盗人の如きことをするはずもない。


金ヶ崎ではあたしは長政様を裏切った。兄さまのほうが大切だったから。

あの北ノ荘の炎とともに、怨みも哀しみも全て消えた。

タグ: 独白 想い出 回想



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