2021/6/26

Rod and 古田(2021年6月号)  Rod and 古田

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■特集オレ:「胸の高鳴りを信じて」

号泣する準備はできていた。
アカメを狙い始めてから8年、コロナ渦で急に気持ちが高まった。
思えば、閉塞した世の中で熱くなれる何かを探していた。
去年の遠征回数は10回。真夏の熱帯夜も真冬のかじかむ朝まずめも越えた。
高知県仁淀川の河口で迎えた年末。この年最後の日の出を目の前に心が折れた。
終わらない8月を引きずりながら、また釣りが旅になっていくのを感じていた。
あぁ、この感じ久しぶり。おかえり、絶望。

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(8年前のウガンダ・ナイルパーチ これもリベンジでの勝利だった。)

21年初夏、今年初となる遠征の計画を立てた。
ベストシーズンとは言えないが、行かない理由を探すよりもシンプルに釣りたいという気持ちを優先させようと思った。好きなことに躊躇はしない、優先順位の1番だけを狙う。
釣り旅を始めた時からそう決めていた。
なにより、ブレると釣れないことはこれまでの遠征で分かっていた。

今回は後輩と2人での釣行。ルアー釣りを捨て、泳がせ釣りで粘り続けることにする。
なんとなく、プラスチックよりもドラマチックを大事にしたいと思った。

心配とは裏腹にエサは簡単に確保することができた。
水温が高くないおかげなのか、スカリの中の魚は弱らなかった。
飯を食い、酒を飲み、昼寝をしながらアタリを待つ。
それはいいのだが、肝心のアカメは食いついてくれない。
想像以上に魚の回遊は少ないようだった。

5日目の朝、後輩が帰った。一度もアタリがなかった後輩は次回からルアーで狙うという。
その一言に迷いが生まれた。季節的には釣り人が少なく、有名ポイントに入れるかもしれない。だけどそれは、それだけのことだ。4日間、泳ぎ続けてボロボロになりながらも死なないボラを見て、今回はこいつと心中しようと思った。

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(ダメージを負い赤黒く変色したボラ。まけるな古田、是に有)

最終日は雨が降った。テントの中でその時を待った。
思えば恵みの雨だった。少しの濁りが状況を変えた。
深夜2時の上げ止まり、その時は来た。
釣り人が魚と解り合える唯一の瞬間は限界にまで濃縮された人生そのもので、
心臓の音を聞きながら、高鳴る胸の奥の奥では、いつか来る終わりに切なさを感じていた。

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(Photo by Naohisa Takemura)

翌朝、駆け付けた友人が写真を撮ってくれた。
遠征のたびにお世話になっていたので、釣れた魚を見せられたことが嬉しかった。
がっちりと握手を交わし、更なるサイズアップを約束した。

いつも旅の終わりはあっけない気がする。
いや、終わりはあってないようなものかもしれない。
感動の涙が流れなかったのはなんでだろう。
人生であと何回、胸の高鳴りを信じられるだろう。
そんなことを考えながら、季節を運ぶ海辺の風に今年の夏の始まりを感じていた。

(この魚を釣るにあたり、お力添えを頂いた皆様に心より感謝いたします)

■今月の散財
金額:16,000円
ラインやルアーなど消耗品もろもろ

■今月の釣行 
日数:4日 金額:170,000円

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(最上神を参拝 GOD SAVE THE わーるど)


■私立・釣旅妄℃学園(男子校)
※掲載打診中




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