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新聞広告 投稿者:風の盆 投稿日:2013年12月20日(金)08時20分59秒

村上龍「速いものは、美しい」 最終回

神秘的な儚さ        村上龍

わたしたちは、なぜ「儚さ(はかなさ)」に魅せられるのだろうか。心を震わす感動というのはあっという間に現れては消えてしまい、美しいものは永遠ではないと、幼いときから刷り込まれているからではないか。昔から、昼と夜、夜と朝の間の、短い時間が好きだった。「限りなく透明に近いブルー」というわたしのデビュー作のタイトルには、その思いが込められている。夜が終わり、太陽が昇りはじめる直前の、一瞬の時間、その空の色を表現した。
だが、どこか危うく、盤石でもなく、永遠でもないものは、強く記憶に残る。バレエダンサーの優美な動き、スタジアムを凍りつかせるようなサッカーのスルーパス、コーナーの手前で僅かにブレーキングを遅らせ先行車を抜き去るレーサーのドライビング、サイドラインぎりぎりに放たれるテニスのパッシングショット、そして、ゴール直前の競走馬の走り、それらは、「儚さ」を伴って、脳裡に刻まれる。
1980年代後半、地味な血統の、一頭の芦毛の馬が、地方競馬から現われた。中央のエリートたちを打ち負かし、社会現象を巻き起こしたオグリキャップだ。競馬ファンでなくても、その名前を知らない者はいなかった。もちろん圧倒的に強かったが、どこかに「儚さ」を秘めた馬だった、個人的にそう思う。地方出身で、ほぼ無名に近い血統馬でありながら、過酷なローテーションの中でライバルたちと数々の名勝負を演じ、怪我にも悩まされたが、そのたびに復活してみせた。
だが、1990年後半、天皇賞(秋)とジャパンカップで立て続けに負けたとき、オグリキャップは引退させたほうがいいという声が上がるようになった。体調の悪さも指摘された。満身創痍だという声も聞かれた。ファンは、かつてのイメージが崩れるのを目の当たりにすることが耐えられなかったのだ。
引退レースとなった有馬記念、中山競馬場は、オグリキャップの勝利ではなく、最後の勇姿を目に焼き付けておくために集まった人々で埋め尽くされた。そして、「オグリ!オグリ!」という声援が渦巻く中、最後の直線で先頭に立ち、歴史に残る勝利を収める。それは「奇跡」と言われ、日本中が熱狂し、伝説となった。わたしは、何か神秘的なものを感じたのを覚えている。オグリキャップは、「神秘的な儚さ」を持つ競走馬として、わたしたちの記憶の中で、いまだ生き続けている。


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Re: 新聞広告 投稿者:村民海豚 投稿日:2013年12月20日(金)23時42分10秒

ちょっと感動しました。

「心を震わす感動」「限りなく透明に近いブルー」
この前文はまさしくオルフェーヴルの皐月賞時に掲示板で語られたネタではないですか。

ブルブルと震えるオルフェーブルー。

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投稿者:村民海豚
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投稿者:今日は何の日
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誤 本日中山3R及び8R、阪神8R
正 本日中山3R及び8R、阪神6R
投稿者:今日は何の日
本日中山3R及び8R、阪神8Rで偶然が重なり、2つの馬番が浮かび上がってきた。これが有馬記念の1・3着へと振り分けられるのか?そのうちひとつは単勝二桁人気の人気薄となっている。
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