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その名前は、
   名前じゃない何かにきこえた。


オグリキャップのラストランに
本気で賭けた人間が、どれだけいただろう。
一九九〇年十二月二十三日、有馬記念。
オグリはきっともう勝てない。
それでも僕が単勝馬券を買ったのは、儀式だった。
この馬にみた夢を、きちんと終えるために。
ただ完走すればそれでよかったのに。

風がやんだ。
「8」のゼッケンがみえた。
雲に似た色の馬が飛び出した。
オグリキャップだった。

息がとまった。
忘れていたことを思い出した。
叫べばまだ間に合った。
叫んだ。
忘れていいことを忘れた。
もういちど叫んだ。世界が滲んだ。
轟音におおわれて
無音とほぼ同じになった。

その馬と僕だけになった。

言葉は遅れてやって来た。
騎手が手を高く突き上げた。
誰もがその馬の名前を呼んだ。
くりかえし僕も呼んだ。
名前は、名前じゃない何か別の言葉にきこえた。

一九九〇年十二月二十三日、有馬記念。
オグリキャップがラストランで勝つことを
本当に信じていた者が、どれだけいただろう。

奇蹟。
天から降ってくるのではなく。
この地上の瞬間がつみかさなって、
つくられるもの。

競馬はどきどき、
それを僕らにみせてくれる。


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投稿者:村民海豚
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