2011/3/5  20:33

合築と単独の比較8  

 合築と単独の比較表をさらに見ていく。

 「市町村立図書館の人的支援」「公民館図書室の充実や図書館設置の促進」という項目があり、これらは、県立固有の業務であり、単独整備でも合築でも変わらないような書かれ方がしている。

 ところがこれが、単独と合築では大違いなのである。

 県立図書館単独整備の場合、新市民図書館がよほどお粗末なものではないかぎり、直接の貸出利用者は市民図書館より少ないと考えられる。それは、市民図書館の方がよく借りられる本を県立図書館よりも多く買うからである。

 県立図書館は、高知県唯一の誰でも調査研究できる図書館として、それにふさわしい本はたくさん揃えなければならない。しかし、こういう本はどしどし利用されるというものではない。逆に言うと、県立図書館の評価はどういう本が揃っているかであって、単純な貸出数で評価してはいけない(そうかと言って、あまりに利用されないのも問題だが)。

 県立図書館は市民図書館より貸出が少ないから、レファレンス(調査・研究の援助)に時間も人もかけられるし、また、市町村支援にも時間も人もかけられるのだ。

 もし、合築にして、高知市が十分な人員配置を行わなかったら、県がこれをかぶらなければならない。これは確実に市町村支援に影響する。

 そうかと言って、では、市民図書館には貸出だけやってもらおうなどという考え方もあまりにも素人考えというか、図書館を利用したことのない人の考えと言わざるを得ない。日常、本を借りるところでも、いろいろ本のことを尋ねたりする場面が発生するものだ。

 それに貸出をやったことのない人が市町村支援をやるのは危険である。助手のようなことならともかくも。

 それで、県の職員は市の方に派遣とかその他の形でカウンターにも立つということになるのだろう。しかし、これもどういう配分にするのかというのは、ヘタをするとモメる種になりかねない。少なくとも、市町村支援の人員は県がしっかり数も質も確保しておかなければならない。

 今まで人員削減圧力が大変強く、また、その原因である財政難もどうにもしようがない見込みからすると、とても不安であり、ちょっとやそっとの美辞麗句では信用できないのである。

 たぶん、現場を知らない役人は県と市を一緒にするのだから、2つのカウンターが1つになるくらいにしか考えていないのではないか?

 そうだとしたら愚かすぎる。仮にカウンターを1つにしたって、業務量が増加すればそこに配置する人間を増やさなければならない。また、どうせ増やすなら機能別にカウンターを分けた方が効率的になる。さらに、調査・研究支援やビジネス支援を行っていこうということになれば、さらに人が必要になる。これらは誰でもいいというものではない。

 それから、合わせて大規模なものをつくった場合、利用者は、単独の場合の利用者数それぞれAとBの和A+Bではすなまいのだ。A+B+αに必ずなる。大きい施設というものはそういうものなのだ。

 利用者が増えるのはいいことだが、対応する人員は単独より必要ということである。

 そこまでの包容力がある財政豊かな自治体ならこういう飛び抜けた発想もありうるかもしれないが、およそ現実的でない。

 また、本当に財政豊かな自治体だったら、そもそも、大きな図書館が2つも要らないなどと考えないだろう。それよりも、それぞれの機能や蔵書の違いをはっきり出してくれということになるだろう。東京などは典型だが、都立図書館は日本語の専門的な図書の他、各分野の雑誌、新聞(全国の地方紙や業界紙も)、外国語資料(図書も雑誌も英語も中国語やハングルも)という構成になっている。

 それでは大学の図書館みたいだって? いやいや、今や大学の図書館はもっと値のはる電子ジャーナルなどに予算をかなり食われているのだ。それに専門書というものは英語の本も入れるとかなり種類があるので、ちょっとやそっとで集まるものではない。東京都立図書館で持っている英語の本など、大学に比べればたかが知れている。それでいいとは思えないが。
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