2011/3/7  16:48

図書館利用に障害のある人へのサービス  

 視覚に障害のある人は、そのままでは本が読めないので、図書館の利用には当然、障害がある。本がそのままでは読めないというだけでなく、図書館に行くこと自体も大変な人もいる。

 点字の本があるからいいではないかと単純に考える人もいるだろうが、中途で失明する人などの方がずっと多く、こういう人たちが点字を習得するのはとても困難である。もし、あなたが明日、失明したら、点字を覚えていくことができますか?

 そういうことで、今、点字図書館や全国の公共図書館の一部では、音訳図書もつくられている。

 しかし、点訳図書にせよ音訳図書にせよ、活字の本の量に比べたら微々たるものである。

 それで視覚障害者は、これでは読書する権利が制限されているようなものだということで、とくに、公共図書館に対して、対面音訳(その場で本を読み上げてもらう)サービスを要求するようになった。

 このサービスはどこの図書館でもできるようになるべきだが、当然のこととして人がいなければ基本的にはできない。

 現在、県立図書館には、機械で読み上げる装置も寄贈により導入されているが、文字ばかりの本ならば比較的読み上げられるものの、表や枠で囲った表現が多いものは、うまく読み上げられない。

 ところが、なんと、こういう印刷物が役所がつくったものに一番多いのだ。

 視覚障害者は出版物としての本だけでなく、いわゆるお知らせの類や重要な文書も読めずに困っているのである。

 だから、対面音訳のようなサービスは県立図書館でやるべきとか市民図書館でやるべきとかではなく、本来、普遍的に行われなければならないサービスなのだ。

 しかし、マンパワーが問題である。

 この根本的な解決策はまだない。ボランティアもそんなに都合よく調達できるものではない。

 それから、まったく知られていないことなのだが、聴覚障害者の読書はもっと課題が多いのである。目が見えれば本は読めるだろうというのは考えが浅い。こちらの場合、はじめから聴覚障害がある人は、なかなか音声がベースの言語体系になじめないのである。だから、文章の意味が理解できないということがあるのだ。知能が低いのではない。彼らの間の手話では視覚表現で、あっという間のコミュニケーションをしてしまうこともある。必ずしも単語を文法的につないで意味を表現するのではなく、まるごと表現してしまう場合もあるからだ。

 聴覚障害の方が理解しやすいのはもちろん映像表現だが、その他、構造をシンプルにした文章による本などもある。

 こういうことにもこれから取り組まなければならない。

 さらに、様々な特別支援などなど、課題山積である。また、高齢化にともなって障害者は増えているし、もちろん、医療も高度化しているので命は助かったものの障害児で生まれてくる人というのも出てくる。

 障害の問題は他人事ではない。明日は我が身でもある。それだけ重要な問題だ。

 この問題は単なる合築問題を超える。今回、著作権法改正で、点字図書館とその他の図書館でできることに違いがほとんどなくなったことも大きな環境変化だ。

 むしろ、この分野では一体化や融合が求められているのかもしれない。

 ただし、この場合も、特定の図書館がやればよいということでなく、すべての図書館で必要だ。単独整備しても両方必要だ。そういうユニバーサルな環境自体が求められている時代になっているのである。きつい要求だけれどもそうなのだ。

 そしてこれは、日本の少子高齢化社会の進行を考えると、それこそ、どうしてもクリアしなければならない。
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