2011/3/27  21:06

新図書館基本構想検討委員会の結末  

 新図書館基本構想検討委員会最終回では、一部の委員が、委員会を待たずに、議会で新図書館の予算を計上したことについて、手続きがおかしいと指摘し、抗議して、報告書から名前を削除することを求めた。
 報告書の内容が自分の意見と合わないからではないということであった。
 しかし、この種の委員会は、多数決で行うべきものではないので、意見が合わないから報告書から名前を削除することを求めたとしても大人げないことでは決してない。
 そもそも、合議制の機関で、意見がまとまらないのに、決定してしまうこと自体間違いである。
 その意味では、本当の意味で、委員会で決定された基本構想とは言えない。
 今後、役所サイドでは基本計画へと進んでいくが、それは、合意が形成されたものに基づいたものではない。

 今回の委員会では、議題とは直接関係しないが、元鳥取県立図書館長の斉藤氏が、なんで高知県の市町村はこんなに図書館の行政における優先順位が低いのかと苦言を呈していた。

 高知県の図書館は、ほとんどすべての図書館が、資料費、職員で全国の同規模の自治体の平均よりはるかに下回っている。

 はっきり言うと、日本最低である。

 このような状況で、合築図書館として大規模図書館を整備しても、全体の改善は望めない。

 日本図書館協会の常世田氏をはじめ何人かの委員が、すべての市町村に図書館を設置することを目指すべきであると意見を述べた。そうして、それを高知県の図書館振興計画としてまとめるべきであると述べた。

 これがもっとも高知県にとって大事なことである。

 そもそも受け皿となる市町村立図書館がないのに、高知県立図書館が支援をすると言っても限界がある。

 県立図書館が移動図書館をまわす程度で満足していてはいけないのである。

 常世田氏は、図書館は徒歩、自転車、電車、自動車でも15〜20分程度のところにないと日常的には利用されない、そのためには各自治体が図書館を持つべきであると述べた。

 また、土佐市民図書館長である吉本氏は、市町村で財政的に図書館設置が難しいところは、例えば、学校図書館と共同運用というような方法もあるのではないかと述べた。

 県と高知市の合築などより、よほどよい共同形態に思える。

 合築図書館は結局、高知県立高知市民図書館になるであろう。

 それの何が悪いと思う人のセンスの悪さは、表現しようがない。

 今までの県立図書館の問題として、それが結局、県立○○市民図書館になってしまっていることがあげられていたのだ。つまり、近所の人にしかサービスしていない、しかも県の金を使ってということが問題視されていたのだ。これが二重行政などと言われてしまった根拠である。二重行政を避けるなどと言って、結局、高知では二重行政をわざわざやるのである。

 新しい県立図書館のあり方は、後方支援図書館として市町村立図書館を強力にバックアップすることなのだ。バックアップの方法として最も必要なのは協力貸出である。このためには大幅な資料費と大量のストックが可能な書庫が必要なのだ。

 今、年間に出る本は7〜8万点近くあり、1冊ずつ買っても2億円近くかかる。これは図書だけで雑誌や新聞は含まない。また、日本の本だけで外国の英語の本などは含まない。こんなに市町村の図書館では買えない。だから、県立図書館が必要なのである。

 まともにものを調べる人はいまどき、専門の雑誌や多少、英語の本も見るくらい常識である。また、そのくらいしないと遅れを取ってしまう。

 新図書館に県が1億出して、現状より7千万も多くなったとしても、高知市の側の上げ幅は2千万程度である。これは、かつての高知市の水準に戻っただけである。

 県の7千万の予算から、いわゆる一般受けする本に流れてしまうのは止めようがない。

 予約やリクエストという形で利用者が求めてくるからだ。

 「断ればいい」などというのは役人的な考えで、そんなことで毎日窓口でもめるわけにはいかないではないか!

 これが、県立と市立と別れていれば、「県立はこういう方針でこういう本を買っている」と言えるが、一緒になっている図書館でそんな説明をしてわかる人がどれほどいるのだろうか?

 新図書館の蔵書のレベルは確実に下がる。

 残念ながら、新しい図書館は本はたくさんあっても役に立つものはそれほどはそろわないだろう。

 まったく残念な結果である。

 結局、高知県の知的水準を全体的に上げるのはとても難しい。

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