2010/11/18  22:17

高知県・高知市一体型図書館を考えるシンポのメモ1  

 シンポのメモです。長くなるので分けて投稿します。

・図書館のビジョンについてどう考えるか?

新さん:
 昔は県立図書館しかなかった。そこに市立図書館ができると、県立図書館の役割は変わってくる。
 県は、教育政策の中の図書館政策として、県全体の読書環境の整備を進めるために、図書館を振興する。そのため、県は図書館に対するビジョンを持っていなければならない。こういった政策を実現するための機関として県立図書館は存在する。つまり、市町村の図書館を豊かにすることが県の課題であり、この課題実現のために県立図書館をどうするかというふうに考えるのが順序である。

豊田さん:
 地域をよくする手段として図書館を考える。地域が目指す方向に図書館がどう関われば役に立つかを考える。これがビジョンである。
 そうすると、今回の提案は不思議である。前提となる地域分析がない。また、蔵書数や面積を提示する根拠となる利用予測や利用の目標数値もない。これではビジョンとして不十分である。

新さん:
 市町村支援の内容がはっきりしていない。県の図書館政策としてどういうものがあるのかわからない。

・一体型の展開について

豊田さん:
 AもBもと、2つのことをいっぺんにはできない。AとBとでどういう優先順位で、どういう資源配分でやるのかわからない。県と市で、緊密にやるということだが、そのためには、情報の共有化が必要である。情報の共有化ということは、良い情報も悪い情報もお互いに隠さないで出すということである。そうでないと「後出しじゃんけん」になる。「後出しじゃんけん」では後の方が必ず有利になり不公正である。こういう危険性があり、また、コミュニケーションのコストが非常に高くつく。

新さん:
 なぜ、今まで、県と県庁所在地の一体型の図書館ができなかったか。それは、結局、組織上の問題、費用負担の問題など種々の問題があり、うまく行かないと考えられたからだ。県と市でそれぞれ単独で整備すれば、予算は最低限は確保される。一体型にすると、この歯止めがなくなる。そして、お互いに相手の資源を頼るようになる。二重行政批判をかわすために一体型は一見魅力的だが、このように、実は貧弱になる。

豊田さん:
 市民図書館の分館・分室支援の具体的中身がない。これでは、市民図書館がどうなるのかわからない。
 合併や統合ということには、お金に換算できないものすごいコストがかかる。意思決定の速度は遅くなり、情報共有は難しくなる。そうすると、こういうところに優秀な職員をつぎこまなければならなくなり、現場のサービスにこういう人がまわせなくなる。
 分館・分室をどういう方向に持っていくのかビジョンが必要である。そうでないと、「コンパクト・シティ」ということで、中心部に集約し、分館を廃止していくということも起こりかねない。しかし、図書館というものは、そこの地域の文化的シンボルでもある。図書館の廃止とは、地域でほこりとするものがなくなるということである。市町村合併で廃止された図書館もあるが、そういうことを進めると周辺地域の崩壊をもたらすことになる。
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