3月11日が近付くと誰もが東日本大震災のことを思い出し、テレビや新聞などでも特集を組んで取り上げます。3年前のことなので記憶に新しいこともありますが、今から69年前にはもっと多くの人たちが犠牲になった出来事がありました。東京大空襲です。昭和20年3月10日未明から始まった空襲では現在の江東区、墨田区、台東区、中央区など下町が集中的に狙われました。昭和16年の開戦から3年が過ぎ、サイパン島などマリアナ諸島がアメリカに制圧されたことによりB-29爆撃機の攻撃圏内に東京が入ったからでした。東日本大震災は天災(福島原発は人災の側面もあり)ですが、これは戦災です。325機のB-29爆撃機から投下された集束焼夷弾E46を中心とする爆弾は38万1300発、1783トンにものぼり、燃え上がった炎はおりからの季節風に乗って瞬く間に広がり、死亡者:8万3793人、負傷者:4万918人、被災者:100万8005人、被災家屋:26万8358戸(当時の警視庁調査)という単独の空襲による犠牲者数は世界史上最大になっています。

当時の写真を見ると大きな建物だけが残り、東日本大震災で津波の被害にあった地域の様子と同じように見えます。
安倍政権になってから変わりつつある問題に集団的自衛権行使容認、憲法解釈があります。日本は憲法9条で定められた「戦争放棄」の国であり、世界で唯一の被爆国です。戦争の悲惨さを十分に理解しているはずなのになぜ自国の防衛以外に武力行使しようとするのでしょうか? 武力を行使して争いを終結させるのではなく、人の力で和平に導くような国になってもらいたいものです。

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