「奈良県議会 代表質問 医療行政について 荻田義雄」
奈良県議会
■医療行政について
県立奈良病院の建替えに際しては、一刻も早く高度医療拠点として整備をして頂きたい、こんな思いがより一層募っているわけでございますが、次年度の予算編成に向けて具体的にどのように取り組んでいるのか?知事の所見をお伺いいたします。
また、同敷地内の救命救急センターには薬物患者や自殺未遂者が搬送され、その上、現代病でもございますうつ病などの精神疾患も多いというふうに聞いている状況でございます。この際、県立奈良病院内に早期に精神科の開設が必要と考えますが、あわせてお答下さい。
また、知事から9月議会において県立医科大学移転を示唆されました。現在の県立医科大学の状況を見れば、附属病院の整備充実のために教育部門の移転そのものの必要性は、私自身は賛同するものであります。

移転先については、幅広く検討するというような答弁でもございました。地元ををはじめ中南和地域の生の声をしっかりと聞かれ、取り組んで頂きたいと思います。このことについては意見を付して強くご要望を申し上げます。
そしてまた、地域医療再生計画では、一次救急について県内二ヵ所に拠点を整備充実をするとされています。今後の取り組みはどのように進めようとされているのか?知事にお考えをお尋ねいたします。
それに対して、北和地域の高度医療拠点病院として老朽化が進んでいる県立奈良病院について、厳しい財政状況の中ではありますが、大きな投資を行う決意を持って全面的に建て替える必要があると考えています。現在、庁内にプロジェクトチームを設置して、病院の機能、役割など基本的コンセプトや病院全体の規模、大まかな事業費などの事業概要や整備スケジュールの検討を始めております。この中で、現在地で建て替えた場合の診療への影響や、移転した場合にどのような課題があるかなどについても洗い出しを行っているところです。次年度予算にどのように反映するか、急ぎこれからの検討を進めてまいります。
また、ご指摘を頂きました自殺未遂者などで救命救急センターへ搬送される救急患者への対応など精神疾患への診療機能の強化については、基本的なコンセプトの策定の中で検討してまいります。
現在の奈良県の医療の実状の中で、二次や三次の救急を受け持つ病院が多くの軽症患者を受け入れることで、重症患者を受け入れられないという状況が生じています。軽症患者を的確に受けとめる一次診療体制の充実が必要です。休日夜間応急診療所は、市町村事業としてそれぞれの地域で運営されています。多くの地域で夜間の診療体制が未整備になっております。また、検査設備が十分でないことや、需要の多い小児科の専門医が配置できないことなどの課題がございます。県内全域の市町村に呼びかけ、市町村行政検討会議に作業部会を設置し、この11月に一回目の意見交換を行いました。地域医療再生計画では、一つの充実方策として拠点となる休日夜間応急診療所の整備を提示しましたが、今後は市町村とのワーキンググループを設置して、この意見も聞きながら、検討を行ってまいります。
次に、二次救急体制については、まずは、関係する自治体や病院が、それぞれの病院の医療機能について十分検討することが必要な段階です。県としては、断らない救急機能を持つ高度医療拠点病院を整備することで、地域の病院で重症化した患者を確実に受けとめるシステムを構築する事が重要と考えております。二次と三次の連携が行われることで、体制の充実につながるものと考えております。
とのお考えでした。

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