2014/2/12


日本列島は真冬日だった


冬の嵐がやって来た
北海道はなんのこれしき驚かないが
関東じゃ おお騒ぎだ
街がお手上げだ

飛行機も車も 使えない
歩くのもままならない
怪我人 死者さえ出る始末
大混乱の一日だった


東京は45年振りの積雪
大記録だと!

1969年の東京の大雪
あの朝 私は
教養学部の補習講義に出るため
降り積もった雪道を
前をよろけながら歩く集団を
ごぼう抜きで急いでいた

足首まである 黒皮のチャッカーブーツを履いて
コートの襟を立て
北海道の冬支度
白い息を吐きながら
ぐんぐん 雪道を歩いた

気持が高ぶって
ずーっと頭の中に 歌が流れていた
キャロル・キングの「ロコモーション」
私は機関車に変身していた

まさかの大雪
関東一円は雪の朝の大騒ぎ


あれは祝祭だった
街も人々も
天からの眩しくも
美しい一撃をくらった

日常が使い物にならなくなり
それでも 行かなければならない
ひとも車も
荒ぶる空模様に
送電さえも 途切れてしまう
アナログの街は
たったひと晩の吹雪で手も無くしびれた

人々は通信のすべがない
FAXもケータイもない
休むしかない仕事も沢山あった


けれど――
69年の雪は
人も車も飛行機もずーっと少なかった

経済も小さかった

幸い
ほのぼのと雪を眺めるしか無い人もいた


辺り一面
白い雪景色だった

ふいに訪れた真冬の贈りもの

午後の陽射しは
みるみる街を溶かした

あの日
残された空は
青く透き通っていた
0



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ