2014/12/23

秀歌(41)小池光の猫の歌  秀歌読みましょう

「短歌人」の小池光さんの猫好きはあちこちに書かれていて、ご自分でも猫の歌を沢山詠んでいる。その猫好きは私より勝っているのかもしれないと思う事がある。今年の中ごろはその飼猫が年を取って弱っていく姿が詠まれていて、私も身につまされたけれど、その猫がとうとう死んでしまったようだ。
夏目漱石が猫の死亡通知の葉書を出したように、小池さんは「猫への挽歌」を詠んでいる。年が押し詰まったけれど、お正月にはふさわしくないだろうから、その挽歌の「角川短歌」12月号巻頭作品「球根」から六首を引く。

カーテンより朝光(あさかげ)の射す床上に猫のいのちはをはりてゐたり

なきがらの猫の首よりはづしたり金の鈴つきし赤き首輪を

野良猫のおまへを家に上げてより十五年経ぬああ実にさまざまなこと

抱きよせてふとんの中にゐし幸(さち)やころろころろとのどを鳴らして

ああ、しほさゐのおとがきこえるさらさらと猫の小さき骨壺振れば

秋の日はすべるがごとく落ちゆきて猫ゐぬ家にわがかへりゆく

猫の死の歌だけをひろったが、あいだにお嬢さん二人の婚礼と奥様の逝去によって一人暮らしになった歌があり、五首目の「猫ゐぬ家」は誰もいない家ということがわかる。猫好きな私は、読みながら二年前に18歳で死んだウメちゃんを思い出してもらい泣きをしてしまうお歌だ。私がまた小太郎を迎えて詠うように、小池さんの歌にも新しい猫が出てくるようになるといいと思う。
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