2015/5/1

秀歌(48)永田和宏の猫の歌  秀歌読みましょう

歌壇にも猫好きは多くて、有名なのは小池光さんと小島ゆかりさんだろうか。「塔」の永田和宏さんは特に猫好きとも言われていないし、そういうお歌を(私は)読んでいなかった。この三月NHK短歌の選者が終わりになった回かその前かに、テレビ画面で猫の歌を説明している永田さんの口調が、とても猫に優しい語り口だったので、おやと思った。

手元にあった「歌壇」二月号(「歌壇賞」の発表号だからお持ちの方も多いだろう)に永田さんの連載で「某月某日」という歌日記風の文のところに、猫の記述とお歌があった。まず歌を引くと(日付と文は伏せます)

小池光の猫が死んだと読みし日にわが猫あやふ緊急入院

麻酔より覚めつつあらむころかなと猫を思ヘリあかつきがたに

厳密に言へばわが家の猫ならず目つきが悪く懐きもせずに

たぶんもう帰っては来ない縁側にあの日のトムと同じやうに振り向く

おしゃべりな猫だったから家にいれおしゃべりはつひになほらなかった

お歌の様子から、この猫は野良であったのが家に上がり込み、病気になって入院退院の後で逃げ出して野良に帰って行ってしまったことが窺われる。そして昔もトムと言う猫がいたことも分る。

昔は野良と家猫の境が分れていない猫がいて、何軒かの家でご飯を食べていたりした。猫本来の自由な気質を忘れず、束縛をきらってどこかへ行ってしまう。そういうのを「武者修行にいく」といったり、年寄り猫や病気の猫が姿をけすと「ねこは死ぬ姿を人に見せない」などと言ったものだ。
私も何匹もの外猫を飼っていたが、半分が姿を消し、半分が人にみとられて死んだ。このお歌を見ていると、永田さんも結構猫好きなんじゃないかと思ったが、どうなのだろう。
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