2015/7/26

家の猫G  家の猫

六月の小太郎は、丁度よい気候で事務所にこもってお昼寝が多くなっていた。ある日、私達が居間の方にいると「ポポポ、ポー」と事務所から例の音がして、ああ小太郎がファクスを押したんだと行ってみると、大急ぎで逃げて行った。
よく見ると机の上の棚に置いてある「神だな」のお水が随分減っている。この神棚は、お菓子の桐の箱で制作した簡単な物で、その前に小さなグラスにお水を上げているのだ。
猫には神棚は意味が解らないけれど、上手く飲んだ後叱られると察知したのだろう、逃げ出して知らん顔をしようという魂胆らしかった。

それから毎日、時には日に二度もファックスを登って、その隣の棚を登りお水を飲んでいるので、「ポポポ」という音がしたらそっと見に行くようにした。すると気が付かずにグラスの水をペロペロと飲んでいるのが見られた。私達に気付くと振り返って「みたなー」という顔をして、おりてしまったが、二三回見つかった後で叱られないと分ったのか逃げずに飲み続けるようになった。私達も可愛いので「ポポホ」といったら息子までそっとみにいったりして、とうとう写真も取ることが出来た。(ぼけて写っているので、載せられないのです)

そのファックスというのは、電話の光回線を繋ぐときNTTがおまけに付けてくれた感熱式の単独機だったから、時代遅れでコピーも巻紙に取ったものが時間が経つと消えてしまうと言う代物だった。隣の弟が古いけれどまだ生きている複合機をくれるというので、取りつけもやってもらって七月半ばに取り替えることが出来た。それは上が平らな機械なので、猫が歩いてもファックスを押さずに済むと言うことも考えたからだった。
私達は前の印刷だけのプリンターも捨てて、コピーも印刷もファックスもできるので満足だし、猫も歩きやすくなって喜ぶと思ったのに、その日から小太郎は神棚のお水を飲みに登らなくなってしまった。

台風を猫は知らない寝そべって熟睡(うまい)しているしっぽ ぱたぱた   多香子
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