2016/3/18

秀歌(62)松村由利子 角川12首より  秀歌読みましょう

松村由利子さんは「かりん」の歌人で1960年生まれだから、まだ五十代後半の美人さんである。私が見た写真はもっと若いころの明るい美人さんであったが、毎日新聞記者を経て石垣島に移り歌の他に評論、翻訳も仕事にしている現在はどんな感じになっているのだろう。(私は美人好き)
一度以前の「そののち歌会」で「もっとスリリングな状況に」(そのままのお言葉ではない)という意味の評を頂いたことがあったが、今回の12首にも「元気な」ものがあふれているように思える。去年の角川「短歌」5月号から五首をひく。

「呼んでいる声」

面取りをしなかったから煮崩れる私であるか照りが足りない

サバンナを抜ければ川だタンガニイカタンガニイカほら呼んでいる声

ヒトよりもチンパンジーに魅せられてジェイン・グドール美しい人

昼下がり卵とバタとわたくしを角が立つまで泡立てなさい

鍋の中に雨降り続くわたくしは千年ここに坐っています

12首の半分がお料理に関する歌、あと半分がチンパンジーの研究をする人と自然とのかかわりで、その境目はないものの決して一つのテーマとも言えないように思った。その間を繋ぐものは私=ヒト=自然に住む者くらいの感覚か。タンガニイカはアフリカの湖の名。
料理の中に出てくる私、本当は料理と関係ないはずの私の生き方を深く考えて、人類あるいは類人猿の歴史を想うひと時がある。こういうお歌は難解とも言われるが、感覚でとらえて行くうちにすっと添ってくる時が分る時のような気がする。
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