2016/11/18

伊勢物語24段  古典(伊勢、源氏など)

わたしは古典の物語が好きで、特に「伊勢」が好きだけれど、ブログに紹介した回はすこし読者率が落ちるような気はしている。でも、めげずに書いてしまうのは歌をやる人には「古典」も大事という事より私が「好き」だからだろう。
「伊勢」も大分有名な段を書いてしまったが、24段はこれも有名な「あずさ弓」の歌の話である。「むかし男」とはじまるのは伊勢のお約束だが、物語は哀れな女の話である。

男と女は片田舎にくらしていたが、男は都へ勤めに行ってしまう。女は必死に帰りを待っていたが三年が経ってしまった。別の男が結婚しようと何度も問いかけて来ていたのを、ようやく決心して「今夜逢いましょう」と返事をして待っていたところに、前の男が帰って来た。戸を叩く男に女は歌を差し出して

あらたまの年の三年(みとせ)をまちわびてただ今宵こそ新枕すれ 
(今晩新しい男と結婚するのです)

と告げると、帰って来た男は
梓弓ま弓つき弓年を経てわがせしがごとうるはしみせよ
(長い年月を置いてしまった。私との様に今度も仲良く暮らしなさい)

と詠んで、去って行こうとした。女は急に昔を思い出して

あずさ弓ひけどひかねど昔より心は君によりにしものを
(あなたがどう思っていたかはともかく、私はずっと好きだったのに)

と呼びかけたけれど男は行ってしまった。女は悲しくなって追いかけて行ったが、追いつかずに泉の所に倒れて岩に指の血で
あひおもわはで離れぬるひとをとどめかねわが身は今ぞきえはてぬめる

と書いて死んでしまった。この話に最後の歌は却ってわざとらしい感じがするが「伊勢」の持つ素朴さから言うとはじめから一連の歌なのだろう。私はこの女が好きとも言えないが、梓弓の相聞歌はやさしく真摯で胸を打たれる。平安宮廷の遊び歌ではないところだ。
しかし現代では電話もメールも映像もあるので、行ったきり三年も音信不通だったら思いは続かないようにも思うが、私のの好きなドラマ「白線流し」の終わりも思いは断ち切れないと言う所にラブストーリーの「胸キュン」があるので昔も今もと言う所か。

あずさ弓引っ越してから十年で二匹目の猫年老い初めぬ 多香子
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