2017/9/22

秀歌(71)景山一男「角川」六月号より  秀歌読みましょう

景山一男さんは昭和27年東京生まれ、宮柊二の「コスモス」に入り「歌壇」(本阿弥書店)に勤めて編集者、「柊書房」を興して独立「コスモス」の歌書を作っている。出版に携わると歌人としての時間は少なくなり、(師匠中静氏は商売として続けるために、表向きの作歌、評論は書かないと近藤芳美氏にも宣言していた)知名度には欠けるのだが今も「コスモス」に出詠、神保町付近の景色を自然体で詠っている。
今年の「角川短歌」六月号でみかけた歌が、「老い初めた」都会人の姿を(私には)好ましく詠んでいて、健在を思わせた。七首から五首を並べる。

「老いゆく影」

スマートフォンの中に入ってゆきそうな人ばかりゐて日本右傾化

重力に抗ふごとく地下鉄の階段下る老いへと下る

部屋内を走る音消え携帯の待ち受け画面に生きてゐる猫

こののちの生を想へば天翔ける鳥を呑み込み夕陽輝く

危険防止ネットにおほはれビルは立つ老いの形を春陽に晒し

中静氏の回顧談で、景山さんが独立する前に「不識書院」に勤めようかと相談があったが、思い切って出版社を立ち上げた方がいい、と後押しをしたら、宮夫妻にもかわいがられていたので「コスモス叢書」を任されるようになったという話があった。それで宮柊二の一字を取って「柊書房」が出来たという。
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