2018/11/16

秀歌(81)田野陽「角川短歌」10首詠  秀歌読みましょう

田野陽さんと言う方はあまりなじみの方でなく、年鑑を見たら昭和6年生まれ、佐藤佐太郎の「歩道」で評論端の方の様だ。私はアララギぜんとしている歌ではないので、佐太郎系は殆ど読んだ事がなかった。この前「歌会」でお題「坂」に御茶ノ水の坂を詠もうと思ったら、このかたのお歌を見て、「本郷の坂」に取り替えた。それでここに紹介しようと思ったのだ。「角川」10月号から五首を

「駿河台界隈」

楽器店ならぶ喧噪身に浴みて熱風の吹く文坂あゆむ

明大の木かげの椅子に炎熱を避けて憩へる老人ふたり

缶詰になりて文士ら執筆をせしホテルなりてんぷらの味

雁木坂紅梅坂さらに甲賀坂梍角坂(さいかちざか)さへありて候

エレベーターエスカレーター未だなき遺物のやうな御茶ノ水駅

私の家の周りを坂を中心に歌を作っているので、私にはよく分る光景だ。では知らない人はとなった時に、知らなくてもそこはかとない既視感を相手に渡せたら歌は成功なのかしらなどと考えた。
五首目の駅の状態は長い事この通りだったが神田川沿いのホームは狭く、川を蓋して駅ビルにする案も実現しなかった。(それで皆喜んだのだが川を覆ってしまった飯田橋など暑くなってしまった)それがようやく橋や周りの地盤改善をして、駅コンコースを二階につくりエレベーター、エスカレーターを作ることになったのだ。地下鉄に比べるとそれほど長くない階段、古くからの店屋の地権等を考えるとそれほどの変化はこないだろうし、少しは昔の風情も残るものと思っている。
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