2019/1/18

秀歌(82)穂村弘角川11月号20首より  秀歌読みましょう

今はプチ短歌ブームだと書いたことがあるが、昨年の歌集ラッシュや若い人の短歌を始めた人の多さは、ネット上で実感するものの古くからの結社などでは分らないのではないだろうか。ニューウェーブ30年と言われ、穂村以後と言われる人たちは着実に歩を進めているように見えるが、私は口語を使いながら特に熱中して読んだ事はなかった。穂村弘は若手の旗手であったがもう56才その歌はともかく、このごろは評論エッセイに才を開いているし、色々な選者として伯楽の力もあるようだ。「かばん」所属。

「リング・ワンダリング」

母さんの金の指輪よその肉に食い込みすぎていてこわかった

舶来の湯の華か・・・・、と誉めながらめをとじている名探偵は

洋梨の匂いの夜よ金歯あり原節子にも李香蘭にも

跡地跡地跡地をめぐる僕たちのよくわからない未来人の旅

双子だと思っていたら三つ子だという結末の推理小説

両腕にスチュワーデスを抱えたる力道山よ タラップは風

『"ふがいない自分"と生きる』という本をじっと見つめる入れ墨のひと

蜘蛛の巣に無数の小さな飛行機がきらきらきらきら揺れている朝

「うるかす」と呟きながらぎしぎしと母が鳴らしていた薄明かり

原節子や力道山などを使い古い人にも阿って、この所の歌は少しおとなしいような気がするが、難解と言うのとはちがう感覚の扱い方なのではないかと思っている。ライトバースやモダニズムとも違った「現代」を生きているのだろう。ある意味「平成」であり、もうすぐ来る次の時代にはどのようになって行くのか興味深いところ。
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