2019/6/28

秀歌(87)久々湊盈子「角川短歌」十首詠より   秀歌読みましょう

久々湊盈子(えいこ)さんは、いつも着物をお召しのイメージがあって、私よりずっと年上の気がしていたのだけど一年上位の同年代であった。と書いても面識がある訳ではなく、不識書院さんが地下鉄の「新御茶ノ水」駅で出会ったら「この近くで歌会をやっているの」と言っていたという話を聞いたからだ。
「合歓」という結社を主宰していて、その歌会なのだろう。上海生まれで戦後すぐ長崎に引き上げてこられたそうだけど、私なども三歳ぐらいまでの記憶はないから、ご苦労は親御さんの物だったかも。「角川短歌」五月号の十首詠から六首を引く。

「煉切」

<月映>(つくばえ)と名付けられたる黄味餡の練切(ねりきり)を食ぶまなこを閉じて

教育勅語の埃はらいて唱えさす学校あれば通わす親あり

昼電車に居眠る強面(こわもて)が取りおとすスマホの待受(まちうけ)パンダの香香

殺処分の明日を知らねばココ、ココと千羽の鶏(とり)が産む白たまご

締め鯖の青照りめでて居酒屋のおやじの薀蓄も肴(あて)の内なり

隠れ家にしている小さな喫茶店窓辺にもうすぐミモザが開く

年が近いと言う事は、社会に感じるものも近いのかもしれない。二首目の森友問題のような学校の復古化は私達世代が一番危惧する処だし、鳥インフルや豚コレラによる殺処分には、生きるために食べてきた時代を知るものの、理解不能な現代がある。
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