2020/7/31

秀歌(93)木村雅子「角川短歌」六月号より  秀歌読みましょう

東京だけでなく多くの県がこれまでで最高という感染者が出ている。主人に付き添いで日大の外来に行ったが、大分患者さんはすいているみたい。皆やっぱり怖いのだろう。次は10月の予約を取ってくれて、ほっとしている。
コロナの盛り返しで重苦しい日々に、少し明るい歌をと思い、「角川短歌」六月号の木村雅子10首詠から五首を引く。木村雅子さんは「潮音」の代表。大正5年からの潮音社は一番長く続いている結社ともいわれる分、盛衰も激しいのかもしれない。太田水穂創刊のち何代か甥の青丘氏の娘である木村さんが後をついで鎌倉の邸宅に事務所を置いている。

「杳々山荘 春」

亀ヶ谷(やつ)の庭に見おろす英勝寺の屋根の緑青さやかなる朝

海見ゆるつばきの垣にしっぽだけみせてゐるリス実をかじるらし

ことことと風が小さな戸をゆすり緑の庭から呼びかけてくる

つーびーつー 椿の森の真上からふりてくる声「ぼくはここだよ」

縁側の芳名帳に春の陽のさして明るむ訪ひし人の名

主人の実家と同じ扇ヶ谷だが線路を挟んで反対側であろう。もっと年上の方かと思ったら、年鑑ではまだ70代初めのようだった。指導の厳しい結社と聞いていたけれど、このお歌では軽やかで静かに鎌倉での生活を詠っていて、(土地勘があるからかもしれないけれど)こころが開かれるような気持になった。実際の鎌倉の谷(やと)は日がさんさんとは射さず、緑が濃いので鬱っとしているとも言えるのだけど、リスが好き勝手をしているのはかわいらしい。
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