2022/5/20

秀歌(107)尾崎まゆみ「角川」三月号より  秀歌読みましょう

ひさしぶりに尾崎まゆみさんの歌に会って、優しいけれどやはり難解な部分もあるなあと思った。尾崎さんは今治の生まれで神戸在住「玲瓏」の編集委員。早稲田出なのだけど関西塚本の色が濃いのか。でも歌には地域性より華麗な感じが浮かんで私はそこが好きなのだろう。今回は「角川短歌」三月号の10首詠から五首を引く。

「月光庭園」

水仙も葦も角ぐむ土にゐる鬼のいのちにはげまされつつ

おちてゆく時のかけらの風花の 昼月は青空のすり傷

月光庭園ひかりをまとふ白梅のしろの凄みが暗闇に照る

薔薇の木に棘あることの迫りあがる焦燥感のやうな痛みは

春までをビニール袋に睡りつつ月のひかりをいだく腐葉土

       

「月光庭園」という固有名詞があるのかと検索したが、コミックス(学園もの)とゲームの名前が出て来るので、歌の内容から作者の家の庭名なのではと読んでみた。梅が咲くころのまだ冬寒い庭に、鋭い棘を感じながら春を待ち続けている気持なのかと解釈した。心象は読み手の心で捉えればいいのだと思うが冷や汗を掻くこともある。
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