2013/5/19

ユーレイ、個性派ぞろい!  博物館

 会場に入ったら、序章として「笑う骸骨」コーナーからスタートする。
 トップは水墨画の掛け軸。円山応挙のものらしいと伝わっている「波上白骨座禅図」で、いきなり衝撃作。

 だって、精緻に描かれた骸骨が「波の上」で座禅してるんですよ! 骸骨が無念無想で空中浮遊しながら結跏趺坐してるんですよ! てゆうか、死して尚、無念無想を目指さなければ成らないなんて、どんだけ妄執と雑念があるねん! おまえはすでに死んでいる、と教えてあげたい。

 第一章の暖簾をくぐったら、幽霊画の世界がおまちかね。

 ずっと不思議だったんだけど、なんでわざわざ幽霊を掛け軸にして部屋に飾るのかが、いまだにわからん。夏場に涼むため? 客をひとり部屋に残して、客が怖がるのを楽しむイタズラ心? それとも江戸時代の粋なハヤリもの?

 幽霊画とひとくちにいっても、楚々とした美人からお歯黒の醜女、やかましそうなのから黙して語らずなお方まで、それはさまざま。もちろん有名どころのお岩さん、お菊さん、お露さんなどは、人気者ゆえ複数描かれていた。歌舞伎の四谷怪談の絵なんかは、仕掛けがあって、提灯を開くとお岩さんの顔が登場したりと、なかなか凝っていた。

 幽霊画といえば円山応挙が有名だけど、こわいバージョンの幽霊画で思わず見入ったのは河鍋暁斎の。目を剥いて痩せさらばえた顔の凹凸の陰影が凄まじい。やっぱりすごいわ、暁斎。

 彼は9歳の頃、川を流れて来た珍しい蓑亀を見つけて拾い上げた。時は幕末の戦乱の世。
 蓑亀は藻が毛のように伸びた、古来よりしばしば芸術で取り上げられた長寿を象徴する縁起のよい亀だ。めったに見られない亀を写生しようとよく見たところ、なんとそれは男の生首だった。藻だと思ったのは髪だったのだ。

 しかし、やはり暁斎、並みの9歳児ではない。生首だって滅多にみられないしろものだからと、熱心に写生を始めたという。まさに絵餓鬼。

 一方おもしろバージョンの幽霊画は、橋本関雪画伯のささっと筆で描かれた簡潔な幽霊。幽霊と一筆書きみたいな火の玉が勢い良く描かれている。

 実はこの幽霊、そっくりなんです! 赤塚不二夫の有名なキャラ、イヤミに! もしくは明石家さんまに! 有名じゃないし、なかなか目にすることができない絵だけど、個人的には、ものすごいお気に入りですわ。まさか幽霊の掛け軸でイヤミのそっくりさんに遭遇するとは! なんてラッキー、そしてハッピー。

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