2013/10/22

葛井寺 その3   神社仏閣/教会

 投げ銭効果は追加公演だけに留まらず、神社仏閣の建築様式のレクチャーにまで及んだ。レクチャー大好きな私たちにとっては、願ったり叶ったりだ。おじさんも抜かり無くコピーした写真や解説の大きなファイルを持っての説明だ。しかも現地で現物を見ながらだから、わかりやすいことこのうえない。

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 まずは南大門の扉の金具を見ながら、レクチャーはスタートする。

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 「ここにハートの模様がありますよね。これは『いのめ』といって、猪の目と書くんですわ。猪は愛宕の神様の守護をしてます。愛宕の神は火伏の神様だから、防火のまじないになるんですな」
 
 ああ、たしかに金具の穴はハート型だ。「猪目」は日本の伝統的な文様で、はるか古墳時代からあったそうだ。

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 「これは『鯖尾』。鯖のシッポみたいでしょ? 魚は水の中にいるものなので、やっぱり火伏に関係した模様なんです」 
 そして「鯖尾」にもハートマークが。

 「『猪目懸魚(いのめけぎょ)』という装飾が寺院にはあって、これももちろん防火の意味合いがあるんです」

 「懸魚」! 最近、神社仏閣ブログを書くのに専門用語を知っていたら楽しいだろうと調べて覚えたばっかりだよ。破風(はふ)板の下に取りつけられた建築装飾の板だ。

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 帰宅後の調査によれば、葛井寺の懸魚は一見「猪目」がみあたらないが、「三花」というきれいな形だ。「猪目」の変形したものらしい。ちなみに懸魚のうえにある警察の模様みたいなのは、「六葉」という形らしい。そして、この中心の突起物を「樽の口」と呼ぶ。樽酒の栓を模したもので、水を注ぎだす口として防火の意味が表現されているそうだ。樽の口の周囲の菊文様部分を菊座と呼ぶ。

 おじさんのトークは続く。

「一般家庭では、高価で格式の高い懸魚は無理だけど、替わりに同じ場所に『水』と書かれていることがあります。これが防火のおまじないになる。」

 「いろりの上に木の魚の板があるでしょう? あれも火の上に水を用意してある、という意味合いでの魚なんです」

 「いろりから離れる時には、火箸で×を作って、その真ん中に棒線をひいとくと、火事除けのまじないになります。なんでかわかります? そう、「水」という字を書くんですわ」
 
 恐ろしいものの民間口伝は、「地震、雷、火事、オヤジ」だった。「オヤジ」は現代では「竜巻」や「放射能」とトレードされかもしれないが、あとのものはこれからも不動の位置をしめるだろう。火事をいかに免れるかに腐心する昔の人々に思いを馳せる。自然現象はあきらめるしかないが、火事は起こる前なら、ある程度は人間にも防げるチャンスはあるのだ。
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