2010/1/20

とめちゃん  おでかけ

 「とめちゃん」などとみんな気さくに呼んでいるが、私より10コ上の大先輩である。名物女将といわれるのも、なるほど、な存在感である。牡蠣をさばく手つき顔つきは、プロでありカウンターの向こう側の人であることを実感する。

 おまけに、ドラマに出てくる女将そのままに、キップがよく、さばさばとして、手も口もよく動くのである。私は「女将」という人には会う機会がほとんどないので、そのすべてが興味深く、面白かった。

 いろんな話を聞いたが、そのいちいちに重みがある。

 水商売の人間が、心得なければならないこと、例えば水回りや手水鉢などがあれば、常に気をつけて綺麗にしておかねばならないという話。食べ物は一般家庭では捨てているような野菜の皮なんかも、工夫して一品にするとか。素材がいいものであれば、味付けはごく簡単でいいとか。

 魚貝料理の極意は、下処理にあるという話も、たいへんためになった。
 魚の煮付けをつくる時には、切り身を湯を通してから、ぬめりを冷水で洗うとか。ナマコは塩で揉まない方が柔らかくていいとか。生ガキには、レモンは少しだけしぼるけど、火を通した牡蠣には、レモンをたっぷり絞るとか。

 現在、とめちゃんは有名なお食事処で働いておられる。彼女は働く時には何が大切なのかをきっちり押さえておられてるので、シビアそうな京都という土地柄の、格式のあるお食事処という職場の新入りでも、一目置かれる存在だったりする。でもそれがわからない故に上の人から軽く扱われがちな若い人を放置出来ず、説教したりもしているそうだ。酸いも甘いも噛み分けて来た人情家で、世話焼きなのである。

 私は内心、とめちゃんのことを「リアルばばばあちゃんや〜」と、こっそり考えている。ばばばあちゃんとは、さとうわきこさんの描く、シリーズ絵本の主人公である。おいしいものをつくるハートフルな人でもある。

 でもまたぜひ、とめちゃんがお料理に腕をふるう機会に遭遇したい。「パラダイスお口紀行/春の巻」の実現を心待ちにしていたりするのである。
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