2011/12/18

落語を聴きに。  おでかけ

 ほぼ冬の行事と化した『文珍落語』を聴きにいく。一年に一度、ライブで落語を聴く貴重な機会だ。市内のホールでの、しかもお昼過ぎからの開演なので、本当に出やすく有り難い。

 とはいえ休日なので5人分のお昼ゴハンをつくり、Tくんを送り出してから、少し余裕をもって会場に行く。でもなんか、様子がへん。駐車場にやけに車が少ない。エントランスでは吹奏部らしき若人たちが練習をしている。???!

 今回は、例年のさざなみホールではなく、 駅前の文化ホールだったんだ!!

 大失態だ。しかし、こういうときこそ落ち着け。あわてて事故ったりしないように。すでに開演10分前だけど、まず今日の案内や注意のアナウンスがあって、次も前座さんだ。

 なんとか数分の遅刻で入場し、前座さんの落語は隅で聴かせていただく。すっきりと、そつなくうまい方だった。一席終了後、そそくさと指定席に潜り込む。

 文珍師匠の落語は何度か聴いているのに、創作落語はライブでは初めてかもしれない。お年寄りの表現力がすばらしい『憧れの養老院』。入れ歯の無い口をどうしたら表現できるのか、私も帰宅後真似てみたけど全然できなかった。(あたりまえだね)

 最初は例の『面白い恋人』事件から。

「わたしも東京に行く時、キオスクでおみやげに買いました、『面白い恋人』。いまではキオスクには売ってません。いまや幻のお菓子ですな」
「東京のひとはおみやげに『おもしろいな〜』ゆうてくれはりました。『白い恋人』の社長は『おもしろない』ゆーてはりますけど。わたしは『おかしーな』思てます」
「でもま、どーでもえーことちゃいますか。中国のこと考えたら。ほんま、なんでもありでっせ、中国は」
 
 たしかにそうかも。ミッキーマウスもどきも、ドラえもんもどきも、キティちゃんもどきも、よく似た別キャラは、山ほどいそうだし。

 その後は、一番弟子の楽珍さんの『半分垢』。前回よりはずっと面白かった。

 文珍師匠はこのあと『蔵丁稚』、休憩後『らくだ』。『らくだ』は、古典落語の名作の大ネタらしい。枕もなく、いきなり「金が欲しいのう」と話が始まったので、「こういうのもあるのか・・・」と認識する。『らくだ』というタイトルの落語があるということだけは知っていて、不思議なタイトルだなあ・・・と思っていたら、人の渾名だったとは。

 時事を織り込まれる文珍師匠だが、今回3・11の件には、ほとんど触れられなかった。
 でも緞帳が下がってきたとき、手で「上げて上げて」と合図をされ、東北で落語をしたとき、なぜか前倒しで笑いが起こるという話をされた。つらいときには「思いっきり笑おう」という意欲が満々で、笑いに対して「前のめり」になってしまうとか。
 「滋賀県の人は・・・普通でした。ふつうがいちばん。息災でなによりということですな」

 とてもマジメで真剣に、そして全力で心をこめた文珍師匠の落語だった。帰宅後は余韻に浸る間もなく、慌ただしい家事だの介助だのに突入。でも、とてもリフレッシュできたので、少々アクシデントがあっても、身も心もいつもより楽々だった。

 上等な落語を聴き、ウィットに富んだ笑いに触れ、日常ではありえないくらい笑った。頭の中を大きく変換してもらった気分だ。混乱したシノプスが整理されて回路をつくったというか。
 そしてまた全力で心をこめて何かをすることは、こんなにもひとを力づけるのかと、あらためて教えられたのだった。ありがとう、文珍師匠。
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